H16.3.8  質問内容
表紙へ戻る
議会、委員会での質問事項ダイジェストのページに戻る
2003.09.29 : 平成15年文教厚生常任委員会 本文

◯石井委員=
私は教育委員会、そして厚生部、環境生活局、この順で質問をしてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、指導力不足教員についてお伺いをしていきたいと思います。
 指導力不足の教員が大変問題になっております。学校教育の成否というのは教員の資質に負うところが大変大きく、教員の資質の向上、特に指導力が大変重要ではないかと思っております。
 子供と適切な関係が持てなかったり、あるいは授業が十分にできない教員や担任としての指導力がない教員など、いわゆる指導力不足教員が存在をしていると言われております。そういう意味で、早急にその対策を講じていく必要があると思っております。
 まず最初に、指導力不足教員の現状についてです。
 教育委員会では平成十二年度から指導力不足教員への対応をなされているということでありますけれども、指導力不足教員はどの程度いるというふうにとらえておられるのかお伺いいたします。
◯辻教職員課長=
指導力不足教員の現状についてお答えを申し上げます。
 指導力不足教員につきましては、県立学校については学校長が直接、県教育委員会へ報告をいたします。市町村立学校につきましては、学校長が市町村教育委員会、教育事務所を経まして県教育委員会へ報告することとしております。
 その報告に基づきまして、県教育委員会が指導力不足として把握している数でございますが、平成十二年度は小中学校十二名、県立学校七名の計十九名でございます。平成十三年度は小中学校十人、県立学校五人の計十五名、平成十四年度は小中学校八人、県立学校五人の計十三名、本年度は小中学校十一名、県立学校五名の計十六人となっております。
 以上でございます。

◯石井委員=
十九名、十五名、十三名、十六名と、横ばいと言えるんでしょうかね。
 そういうことで、指導力不足教員の判定基準でありますけれども、今答弁をいただきました指導力不足教員の皆さんについて、教育委員会としてはどのような基準で判断をされているのか、お聞きをしたいと思います。
◯辻教職員課長=
判定基準についてお答えを申し上げます。
 指導力不足教員につきましては、要綱によりまして「病気以外の理由で、児童・生徒を適切に指導できないため、特に人事上の措置を要する教員」としております。
 具体的に申し上げますと、教科に関する専門的知識や技術等が不足しているため学習指導を適切に行うことができない者、さらには指導方法が不適切であるため学習指導を適切に行うことができない者、そして、児童生徒の心を理解する能力や意欲に欠け、学級経営や生徒指導を適切に行うことができない者としております。
 指導力不足教員の決定に当たりましては、校長から報告された者につきまして、判定委員会の判定を踏まえまして県教育委員会が決定をしているところでございます。
 以上でございます。

◯石井委員=
生徒指導が適切にできないということになりますと、これはやっぱり問題じゃないかなという気がいたします。
 そこで、このような指導力不足の教員に対してどのような対応をされているんでしょうか。
◯辻教職員課長=
指導力不足教員の対応についてお答えを申し上げます。
 本県では、指導力不足教員への対応といたしまして、他県に先駆けまして平成十二年度から指導力強化研修に取り組んでおるところでございます。
 学校におきましては、校長の指導のもとに研修を行うとともに、特に著しく指導力が不足すると認められる小中学校二名、県立学校二名の教員に対しましては、教育センターで指導教員の指導のもとに集中した研修を行っているところでございます。
 指導力強化研修は、指導力不足教員に応じた研修計画に沿って実施をしておりますが、その研修内容でございますが、大きく分けて教科研修と一般研修の二つを行っております。
 教科研修は、専門教科の知識、技能の強化、さらには専門教科の指導方法の向上などを行っております。一般研修は、一般社会人としての姿勢、教員としての姿勢、さらには児童生徒、保護者との関係などを行っております。
 さらに、本年度からは平成十三年度及び平成十四年度に設置いたしました「新しい教員の人事管理の在り方に関する調査研究会議」からの報告を踏まえまして、教育センターにおける研修だけでなく、学校における研修をより充実させるために、県教育委員会が研修マニュアルを示したりしているところでございます。
 また、必要に応じまして、学校へ非常勤講師を配置いたしまして、研修を支援するなど人的措置を行っているところでございます。
 なお、学校で研修を行う指導力不足教員につきましては、できるだけ児童生徒に迷惑がかからないようにするため、学級担任から外すなどの手立てを講じているところでございます。
 以上でございます。

◯石井委員=
教科研修をやって対応をしていただいているということで、四人が集中研修をしているという答弁が今ありました。
 学校内及び県の教育センターで研修を行っているということでありますけれども、この研修の効果がどのようにあらわれているのか、その辺のことをお聞きしたいと思います。
◯辻教職員課長=
研修の効果についてお答えを申し上げます。
 指導力強化研修を受けた者の多くは授業や学級担任を行う上で支障がない程度まで改善し、通常の勤務に復しているところであり、研修により一定の効果が上がっていると認識をしております。しかし、一部には引き続き研修や指導、観察が必要と思われる者もおりまして、今後さらに研修の効果が上がるようみずから指導力を強化することの重要性を本人に自覚させるとともに、研修の内容や方法をこれまで以上に本人の状況に応じたものとするなど、一層の充実を図っていく必要があると考えているところでございます。
 以上です。

◯石井委員=
一定の効果は上がっているという半面、一部にはまだまだ効果が上がってないと認められる先生もまだいるということであります。
 そうなってきますと、これは効果が上がっている分と上がっていない分、そういうのを含めまして、この指導力不足の教員に対しましては、やっぱり生徒に与える影響というのは大変大きいものがあると思うんですね。そういう意味では、やっぱり厳格な対応、こういうものをしっかりととっていただいて、そして、対応していただくというのが重要じゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯辻教職員課長=
委員御指摘のとおり、学校教育の成否というのは直接の担い手であります教員の資質能力に負うところが大きゅうございます。指導力が不足している教員の存在というのは児童生徒に大きな影響を与え、保護者等の信頼を大きく損なうものであると私どもは認識しております。
 このため、県教育委員会では、指導力不足教員に対しましては、判定委員会の諮問を受けまして県教育委員会が人事上の措置について決定をいたしますが、簡単に矯正することができない持続性を有する素質や能力、性格等に起因してその職務の円滑な遂行に支障がある場合、さらには適格性を著しく欠く場合、こういう場合は分限免職、これも当然あり得ると考えております。
 また、こういう教員に対しましては、分限免職を行う前に教職を辞して他の職に転ずるなど自主退職についても強く勧めていきたいと考えております。
 また、分限免職には至らないまでも研修等必要な措置を講じたとしても、なお児童生徒に対する指導を適切に行うことができないと認められる教員に対しまして、教員以外の職に必要な能力が認められ、かつ定数上可能なときは教員以外の職への配置がえについても検討したいと思っております。
 なお、研修等によって改善の見込みが期待できると認められる場合には、研修を命じたいと思います。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、人事上の措置を適正かつ厳格に行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯石井委員=
最初にお聞きしまして、人数が横ばいという話をいたしましたけれども、今の話を聞きますと、やっぱりそういう先生がいらっしゃるというのはもう現実としてあるわけです。そして、もしかしたら、予備軍の先生もいるかもわからないということは今の答弁から十分考えられますので、今後、その辺の状況の把握というか、実態の把握、こういうものをしっかりやっていただいて、そして、しっかりとした対応をとっていただくことを心からお願い申し上げたいと思います。
 次に、不登校対策についてお伺いをいたしたいと思います。
 平成十五年度の学校基本調査によりますと、昨年度の不登校児童生徒数は文部科学省が調査を初めて以来、わずかながらではありますけれども、初めて減少に転じたという報道もなされておりました。しかし、それでも全国的な数でいきますと十三万人余りという数になっておりまして、これは平成三年度の六万七千人からするとほぼ倍増しているということであります。児童生徒数が少子化により減少しております現状の中で、不登校の児童生徒数が十三万人余りという状況は、これはもう大きな教育問題に間違いないと思っております。
 佐賀県におきましても、昨年度は減少したということを聞いておりますけれども、これまでずっと増加傾向にありましたことや、不登校が長期化することにより社会問題ともなり得ることが懸念をされ、今後とも関係者による継続した取り組みが必要であると思っております。
 それで、不登校の現状について聞いていきますけれども、不登校の児童生徒数が減少したとはいえ、この減っていくという状況がずっと続いていくとは思わないわけです。そこで、県内の小中学校におきましての不登校の児童生徒数がどういうふうに推移しているのか。そしてまた、この不登校のきっかけ、あるいは継続している理由、こういうものがどうなっているのか、お伺いいたします。
◯井上学校教育課長=
不登校の現状についてお答えいたします。
 不登校を理由として、年間三十日以上欠席した県内公立小中学校の児童生徒数の状況は、平成十二年度九百五人、平成十三年度九百五十三人、平成十四年度は八百九十二人となっており、御指摘のとおり平成十四年度に初めての減少となっております。
 不登校の直接のきっかけでございますが、友人関係や学業に関するような学校生活に起因するもの三六%、本人にかかわる問題に起因するもの三一・六%、家庭生活に起因するもの二七・一%などとなっております。
 また、不登校状態が継続している理由といたしましては、不安など情緒的混乱、これが二八・七%、幾つかの理由が複合していずれが主であるか決めがたい複合型が二八・五%、無気力が二〇・二%などとなっております。
 以上です。

◯石井委員=
やっぱりいろんな理由がありますね。そして、これは減少したといえども、九百五人、九百五十三人、八百九十二人ですから、まだ大幅な減少には至ってないというところだと思います。
 そこで、これまで関係者、いろんな方たちが恐らくさまざまな角度から地道な努力をされた、その結果が、若干ではありますけれども、こういう減少につながったと、そういうふうに理解をしておりますけれども、この減少を県の教育委員会としてはどのようにとらえていらっしゃるのか、お伺いをいたします。
◯井上学校教育課長=
不登校児童生徒数の減少についてお答えいたします。
 平成十四年度の佐賀県内公立小中学校の不登校児童生徒数は、前年度より六十一人、約六・四%の減少となっております。
 ただ、不登校の要因が学校、家庭、地域社会でのさまざまな要因等が複雑に絡み合っていることもあり、減少の原因について特定するのは難しゅうございます。また、平成十四年度に初めての減少となったところでございますので、楽観することなく、今後の推移を見守る必要があると考えております。

◯石井委員=
今答弁いただきましたように、学校、家庭、地域社会、これはよく皆さんおっしゃっています、皆さん理解をされると思いますけれども、これはやっぱり連携しながら対応するというのが大変必要でありますし、重要だと、そういうふうに思います。
 そういう意味では、学校での取り組みが大変大きなかぎになるんじゃないかと思っています。子供たちは、家庭の親がある意味ではやっぱり一番信頼があると言われておりますけど、また角度を変えてみますと、やっぱり子供たちは学校の先生を大変頼りにしているんですね。こういうものがありますので、学校あるいは教師は不登校の児童生徒に対して、具体的にどのような取り組みをされているんでしょうか。そしてまた、その効果がどういうふうにあらわれてきているのか、その辺をお聞かせ願いたい思います。
◯井上学校教育課長=
学校の対応についてお答えいたします。
 学校におきましては、不登校の児童生徒に対して担任や教育相談担当が家庭訪問を行ったり、その子の状況把握や心の理解に努めております。養護教諭が児童生徒や保護者の相談を受け、担任と協力しながら子供の心のケアに当たっているケースもございます。
 また、保健室登校や相談室登校の児童生徒に対して、カウンセラー等を交えた教育相談のチームで対応にも当たっております。
 さらに、個々の状況に応じて学校適応指導教室、児童相談所等の関係機関と連携して対応にも当たっております。こういった個別対応や教育相談体制の充実強化に努めているところであります。
 これらの取り組みによりまして、各教職員の児童生徒理解が進むとともに、一人一人の状況に応じた適切な予防や対応が図られるようになっているものと考えております。
 以上です。

◯石井委員=
いろんなケースがありますし、そのいろんなケースに対してやっぱりいろんな知恵といいますか、そういうふうなものを出しながら取り組んでいって、効果も出てきているんじゃないかなと、そういうふうに理解できます。
 そして、その効果が上がると同時に、今度はこの不登校の問題というのはやっぱり教育の上では大変大きな一つの課題でもあるんですね。その確かな原因を探る努力をしながら、先ほど申し上げましたように学校、家庭、地域がお互いに知恵を出し合いながら、しっかりと取り組んでいくということが重要じゃないかと思っております。
 教育委員会として、このようなことに対して今後どのように取り組んでいこうとされているのか、お伺いをいたします。
◯井上学校教育課長=
今後の取り組みについてお答えいたします。
 不登校問題の対応につきましては、どの子供にも起こり得るものであるという認識に立って児童生徒理解を深める必要がございます。各学校におきましても、そういう視点に立って教職員による生徒指導や相談体制を充実させるよう努めているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、このような学校での取り組みを支援するために県内の全小中学校へのカウンセラー配置事業や、公立中学校二十二校への心の教室相談員の配置事業などに取り組んでいるところでございます。
 また、今年度から不登校対策ネットワーク事業を行っておりますが、県教育センターを広域スクーリング・サポート・センターとし、七市の学校適応指導教室を地域スクーリング・サポート・センターとして学校、家庭、地域、関係機関の連携の強化、あるいは不登校児童生徒支援のためのモデルプログラムの作成等々に取り組んでいるところでございます。
 県教育委員会といたしましては、今後ともこれらの不登校対策に係る事業の推進、充実に努めてまいりたいと考えております。

◯石井委員=
この不登校の問題、ぜひ地道にしっかりと取り組んでいってもらいたいと思います。
 今答弁にもありましたが、どの子にもこういうことが起こり得ると、そういうのをしっかり見据えながら、またいろんなことに取り組んでいただきたいなと思います。
 また、これは最後の方で教育長にもお伺いをすると思いますけれども、ぜひしっかりとした取り組みをお願いします。
 次に、教員の社会研修についてお伺いをいたします。
 御承知のように、新学習指導要領が実施をされまして、総合的な学習の時間が始まりました。校外での体験により学習を深める活動が学校現場で多く取り入れられるようになりました。このことに伴いまして、教員に対しましても社会への幅広い視野を求める声が高まっていると思います。
 企業等には人材の育成ですとか、あるいは社会的な責任、顧客へのサービスなど、学校とは違った面がたくさんあります。
 教員にとっては、社会研修を体験することによりまして新鮮な体験を感じられ、子供たちに接する場合にもこのような体験が大変生かされて有意義だというふうにも思っております。この教員の社会研修の現状、取り組みですけれども、これまでの実績についてお伺いいたします。
 子供を取り巻く社会の急激な変化に対しまして、子供たちに直接接する先生方に対しましては、企業等での社会研修を必要とするとの考えがここ数年、大変多く聞くようになりました。これは大変いいことだと思うんですね。
 そこで、この社会研修につきましては県の教育委員会でも数年前から取り組まれていると、そういうふうに聞いております。これまでの実績、そういうものがどういうふうになっているのかお伺いいたします。
◯井上学校教育課長=
これまでの社会体験の実績についてでございますが、御指摘のとおり、社会体験研修は社会人としての広い視野、豊かな教養、柔軟性に富む職務遂行能力など、教員としての資質及び指導力の向上を図るために有効な研修であると認識しております。
 本県では、県立学校の教頭を対象とした長期の社会体験研修が導入された平成九年度から平成十四年度までに述べ千六百八十三名、これは平成十四年度全教員数の二〇%に当たるわけですが、千六百八十三人の教員がさまざまな研修の中で社会体験研修を受けてきております。
 以上です。

◯石井委員=
千六百八十三名、約二〇%の先生方がこれまで社会研修を積まれているということであります。
 次に、この社会研修を行う場合ですけれども、経験年数とか職務の内容によってはそれぞれに適した内容での研修が必要だと思うんです。現在、どのような先生方がどのようなところで社会研修を実施されているのか。また、実施の期間ですけれども、どれくらいの期間になっているのかお伺いいたします。
◯井上学校教育課長=
現在の取り組み状況についてお答えいたします。
 平成十四年度におきましては、四百二十一名の教員が社会体験研修を受けております。主な研修先でございますが、銀行、あるいは新聞社などの民間企業、特別養護老人ホームや障害者福祉施設などの社会福祉施設、宇宙科学館や博物館などの県の文化施設などでございます。中には、大規模な野菜栽培農家や牧場など、みずから研修先を探して体験した教員もございました。
 研修の期間ですが、初任者研修においては五日間、これは農業大学校一日、企業、福祉等施設が四日となっております。十年経験者研修におきましては、全受講者の六〇%程度が二日間の社会体験研修を選択いたしております。教務主任研修におきましては三日から五日間で、新任教頭研修においては十日間となっております。
 また、長期にわたるものといたしましては、公立小中学校のおおむね三十代の教員に対する研修においては一カ月間、県立教頭等を対象とした教員民間企業等派遣研修におきましては五人を一年間、一人を一カ月間派遣しております。
 以上でございます。

◯石井委員=
初任者から教頭先生に至るまで、期間はそれぞれ違います。やっぱりいろいろ工夫をされたりしてやっていただいているんだなというのがわかりました。
 研修の効果ですけれども、学校現場を一定期間離れられまして民間企業で社会研修を体験された先生方は、学校現場で生かすためさまざまな成果を得ているんじゃないかと思います。この社会研修の実施によりましていろんな成果が上がっていると思いますけれども、その成果についてお伺いいたしたいと思います。
◯井上学校教育課長=
研修の成果でございますが、実施後、研修の参加者からは民間企業において職務に対する厳しい姿勢と責任感を学んだとか、民間企業や福祉施設でもてなしの心を第一にしたサービス精神の大切さを学んだとか、あるいは教頭として学校経営に対する責任の重要性を再認識した、あるいは地域の人々が学校教育に大きな関心を持っており、情報公開の必要性を感じたなどの報告がなされております。
 また、参加者がお客様第一という企業のプロ意識を学ぶことで、現場で周囲の教員にも影響を与え、学校が活性化したり、またボランティア活動の指導において、研修先の福祉施設と連携を図った実践が見られるなど成果が上がっていると考えております。

◯石井委員=
一定の成果が上がっているということでありますけれども、課題もあるんじゃないかと思うんですね。日常子供たちに接する、あるいは指導する、その中でこの社会研修が一定の成果を得ているんじゃないかというふうにも思いますが、課題もあると思うんですね。社会研修を実施するに当たって、どのような課題があるのか、あるいはどのような認識をお持ちなのかお伺いいたします。
◯井上学校教育課長=
研修の課題についてお答えいたします。
 一つは先ほど委員が御指摘なさいましたように、学校現場におきましては研修が長期に及ぶ場合に非常勤講師等の措置はございますが、担任している子供とのかかわりをどうするか、あるいはその教員の学校での業務を校内でどう調整するか等の課題がございます。
 また、さまざまな研修や校内、校外の行事等が休業中に集中しているため、すべての社会体験研修を休業中に行うことはかなり難しい状況である等の課題もございます。
 以上のことを踏まえまして、研修の目的に合った受け入れ先の選定や適切な研修期間等について有意義な研修とするための検討が今後必要であると考えております。

◯石井委員=
今、答弁をいただきましたようなことを踏まえまして、この社会研修については先生方にとっては大変有意義だということがわかりました。この研修の経験がやっぱり子供たちに反映をされる、還元をされる、こういうことがひいては佐賀県の教育も、先生方もいろんな意味で向上するんじゃないかと、そう思っています。
 そこで、県として、この社会研修を今後どのように進めていこうとされているのか、お聞きをしたいと思います。
◯井上学校教育課長=
今後の対応についてお伺いいたします。
 社会体験研修の充実については特に力を入れております。初任者研修においては、平成十三年度からそれまでの二日間を五日間に拡大し、また、十年経験者研修においては、平成十五年度から教育公務員特例法の一部改正を受け大幅な見直しをし、校外研修のうち七日間の選択研修の中に社会体験研修を位置づけました。
 また、公立小中学校の教員に対する一カ月の長期社会体験研修は平成十三年度から実施しておりますが、平成十五年度以降は十二人の派遣を予定するなど、近年、社会体験研修を導入拡大し、教員の体験研修の充実に努めているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、今後とも教員の経験年数や職務内容に応じた研修計画を検討し、研修の成果が子供たちに還元されるよう進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

◯石井委員=
今まで三項目について質問をいたしてまいりました。指導力不足教員につきましては、これは私が感じたこと、あるいは日ごろ思っていることですけれども、やっぱり指導力不足の根深さがあるのかなというもの。あるいは、研修のあり方、充実を図る必要があるんじゃないかなというもの。問題なのは、やっぱり適格性に欠ける人がひょっとしたら教員になっているのかもしれないということもあるんじゃないかと思ったりしております。
 そして、今、問題になっております学級崩壊、あるいは不登校などの難問が山積みしております。教員の指導力がこれまでになく求められていると思います。
 採用に当たって、やっぱり先生にふさわしい資質かどうかを見抜く、そういう面も求められているのかもしれません。ぜひこういうものもしっかりと考えていただきたいなと、そういうふうに思います。
 それと、不登校対策ですけれども、これも答弁にありました。やっぱりだれにでも起こり得るという認識が必要じゃないかなということ。それから、不登校の子供からやっぱり直接話を聞いていただいて原因を把握すると、これが大事だなと改めて感じました。
 また、私たち大人には子供たちが将来一人の人間として生きていく力をつけたり、あるいは社会人として自立できる、そういうものの後押しをやっぱり考えていく必要があるんじゃないかなと。そして、不登校を通じて、その子供が何かメッセージを発しているんじゃないかなということ、そういうものがあると思います。
 ちょうどこの質問を準備する段階で、いろいろ資料等も取り寄せながら自分なりに勉強をした中で、この不登校について国立教育政策研究所の生徒指導研究センターというのが中一不登校生徒調査の中間報告をこの八月にされたということで見ておりましたら、このセンター長が佐賀県の教育委員会にいらっしゃった月岡さんが今センター長なんですね。それで、この中にやっぱりある程度の答えがあるようなのがありましたので、ちょっと長くなるかもしれませんけれども、少し読んでみたいと思います。
 先ほどからやりとりをしましたけれども、不登校の児童生徒というのはやっぱり増加をしているということであります。そして、特に中学校一年時において小学校六年時と比較して約三倍になっているということですね。そして、中学校二年時にも大幅な増加が続くという特徴があるということを月岡さんが書いておられます。
 この調査結果から中学一年で不登校となっている生徒の半数は小学校時に不登校相当の経験があったと。そして、小学校で潜在的にあった問題がやっぱり中学校になって不登校という形であらわれるということ。
 この不登校の要因や背景が一つには特定できないことが多いけれども、やっぱり不登校の背景には一方では学力の問題もあると、そういうこともやっぱり書いていらっしゃいます。
 そして、学校として何ができるのかという問いかけをセンター長の月岡さんはされておりまして、私もこの最後に思いました。やっぱり家庭として何ができるのか、学校として何ができるのか、地域として何ができるのか、この辺を皆さんも、私どももお互いにいま一度しっかりと考え直す必要があるんじゃないかと、そういうふうに思っております。
 最後に、その辺のことも含めまして、教育長にお伺いをしたいと思います。
◯松尾教育長=
ただいまいろいろ御議論をいただきました。二十一世紀をたくましく生き抜いていける子供たちを育成するということ、その中では、教員の問題、あるいは不登校児童生徒の問題、それから教員の資質の問題、こういったことがあろうかと思います。
 学校教育におきましては、教員の資質能力に負うところが大きゅうございます。そういったことで、我々も教員の経験年数や職務内容に応じましていろんな社会研修を行っているところでございます。この研修の充実もなお一層図らなければならないと思いますし、また教職員自身も職務の重要さを十分認識して、緊張感を持って職務を遂行するという自己研さんの考え、これをしっかりと持っていただきたいと、そういう促し方もしていく必要があろうと思います。
 とりわけ、指導力不足教員につきましては、状況を的確に把握しまして、判定を厳密にやって、人事上の措置についても厳格に行う必要があろうと思いますし、また、教員を採用するという段階でいかに指導力の的確な教師を採用するかというようなことで、教員の採用試験についてもやっぱり工夫していって、優秀な人材を確保するということをやっていかなくちゃならないと思います。
 不登校の児童生徒につきましても、十四年度に初めて減少したということでございますけれども、やっぱりこれは見ていきますと、さまざまな要因が複雑に絡み合っておりまして、なかなか一挙に解決ということはできないわけでございますけれども、やっぱり相談体制の充実だとか、あるいは先ほど御指摘ありましたように一人一人の子供に接しながら何らかのメッセージをいかに読み取っていくか、こういったことをやっていく必要があろうと思います。
 これにつきましては、教師、また学校全体でいろいろ取り組むべきこと、こういったことを工夫していく必要があろうというふうに思います。
 いずれにいたしましても、我々はたくましく生き抜く子供たちのためには家庭教育のあり方がどうなのかというようなことで、やっぱり家庭教育の支援というのを我々はやっていかなきゃならないと思います。それから、社会教育、地域の教育力と申しましょうか、こういったものについても本当に充実していく必要があろうと思います。そして、当然のことながら学校教育の充実も必要でございます。
 家庭、地域、学校がそれぞれの役割を発揮できるように、そして、それがまたきちっと連携していって立派な子供に仕立て上げると、こういった方策について私どもは研究、検討していかなければならないというふうに思っております。
 以上です。

◯石井委員=
ありがとうございました。ぜひしっかりした取り組みをお願いしたいと思います。
 それでは、次に厚生部に入っていきます。
 最初に高齢者福祉についてお伺いをしていきます。
 二〇〇三年版高齢社会白書によりますと、日本で七十五歳以上の方の人口が一千四百万人を超えたということで、初めて一千万人台を超えたということであります。そして、六十五歳以上の高齢者の人口も一八・五%に上ってきたということです。高齢化がこういうふうに急速に進んでいきますと、高齢者の中でも年齢の高い方の割合が大変大きくなってくると思われます。日本の高齢化は、そういう意味では短期間で非常に早いスピードでなってきたわけですけれども、この大きなかかわり方に対応できる施策、こういうものを急いでやっていかなきゃいけないと思っています。
 高齢期に安心して暮らせ、充実した人生を全うするためにはということで、これは高齢者皆さんの共通の願いじゃないかと思うんですね。社会参加の意味からも、定年で終わられた方たちが健康である限り仕事をしたいとか、そういうふうに思っていらっしゃると思うんです。そういう意欲を持った方はたくさんいらっしゃると思います。この高齢社会におきまして、高齢者の方たちが住みなれた自宅とか地域、そして、健康で安心して暮らせるようになることがやっぱり一番重要じゃないかな、そういう感じがいたしております。
 そこで、佐賀県内の高齢者世帯の状況ですけれども、県内の高齢者世帯、あるいは独居老人世帯の状況がどういうふうになっているのかお伺いをいたします。
◯藤田長寿社会課長=
高齢者世帯の状況についてということでございます。
 平成十二年の国勢調査によりますと、世帯数は県全体で二十七万八千三百六世帯ということになっております。このうち、高齢者のみの世帯数は県全体で三万八千九百十三世帯、これは全世帯数の約一四%というふうになっております。また、このうちひとり暮らしの高齢者の世帯数というものは一万九千三百九十一世帯で、全世帯数の約七%というふうになっております。

◯石井委員=
独居老人世帯が七%というのは多いと判断していいのかどうなのかちょっとわかりませんけど、今からまた出てくると思いますが、先ほど申し上げましたように高齢者の方が増加をしていっている中で、ひとり暮らし高齢者に対して生活支援を図っていくというのは大変重要だと思います。
 高齢者の生活を支援するためにいろんな取り組みを行っておられると思いますけれども、この取り組みについてお伺いいたします。
◯藤田長寿社会課長=
ひとり暮らしの高齢者に対する生活支援ということでございます。
 ひとり暮らしの高齢者に対しましては、日常生活上の援助、それから安全面での援助、さらには、地域との交流の側面からの支援というものが重要であるというふうに考えております。
 これらに対する事業をメニュー方式で提供いたしております介護予防生活支援事業、これは市町村が実施する事業ということになっておりますけれども、こういう事業を通じて積極的に支援をしていこうと考えております。
 そういう中で、まず日常生活上の援助という観点から、栄養のバランスのとれた食事を配達します配食サービス事業とか、掃除や買い物のつき添い等を行います軽度生活援助事業、これを実施いたしております。
 次に、安全面での援助という観点からは、緊急通報体制等整備事業を実施いたしておりまして、また、配食サービスにつきましても配達時に安否確認を行うことができるということから、安全面にも効果を上げているものと思っております。
 さらに、地域との交流という観点からは、陶芸とか園芸の趣味の活動や日常動作の訓練を行います生きがい活動支援通所事業や、利用者の居宅と在宅福祉サービスの提供場所などを送迎をいたします外出支援サービス事業、こういったものを実施いたしております。
 今後とも市町村と連携を図りながら、ひとり暮らし高齢者等に対する生活支援について積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、これは市町村の事業ということではございませんけれども、老人クラブが実施をしている事業になりますが、ひとり暮らし高齢者等の家庭を訪問する友愛訪問活動事業というものは、閉じこもりがちな高齢者の孤独感の解消や急病等による事故の未然防止等に効果があるということから、今後とも支援をしていきたいと考えております。

◯石井委員=
安全面の援助、地域面での援助、その中で今出ました配食サービスですけれども、ひとり暮らし高齢者の方はやっぱり食事をつくるのがなかなか大変だと思うんですね。ですから、そういう意味では栄養のバランスも当然考えた食事を提供しなければならないと思いますけれども、この実施状況はどういうふうになっているのか、お伺いをいたします。
◯藤田長寿社会課長=
配食サービスについてでございます。
 配食サービス事業は平成十二年度から県内の全市町村で実施をしておりまして、事業費は平成十四年度が三億五千五百万円程度であったものが、平成十五年度、今年度の予算でございますけれども、三億九千二百万円程度に大幅に増加をいたしております。
 配食サービスは生活の根幹である食生活においてひとり暮らしの高齢者等に栄養のバランスのとれた食事を提供するものということで、これによりまして健康管理や介護予防にもつながりまして、さらには配達をするということで安否の確認を行うことができることから、生活支援対策として特に重要なものであると考えております。
 しかしながら、一方で配食サービスによりまして調理や買い物の機会が必然的に減るということになりますことから、心身機能の低下を招くというおそれも指摘をされているところでございます。
 このようなことから、平成十六年度からは現在の配食サービス事業を見直しをいたしまして、対象者の心身の状況、それから買い物に便利な場所にいるかどうか、それから親族等が近くにいるかどうかなど、その者が置かれている環境などを分析いたしまして、食事の提供を伴います生きがい活動支援通所事業や、買い物等のつき添いを行います軽度生活援助事業、これらと計画的に連携をさせまして、対象者の状況に応じた食事における自立を図ることによりまして、在宅の高齢者が健康で自立した生活をおくれるように食の自立支援事業として内容を充実させていく予定でございます。

◯石井委員=
いろいろ気を使ってやっていただいている、そういうのがわかりました。高齢者の方ですから、やっぱりきめ細かなそういう気遣い、そういうものをやっていただければなと、そういうふうに感じました。
 それともう一つ、ひとり暮らしの高齢者の方が急病、そういうもので緊急に連絡をしなきゃいけないとかの通報体制、そういうものが非常に重要になってくると思うんですね。この緊急通報体制、こういうものがどのように実施されているんでしょうか。また、どういうふうな形で取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。(副委員長、委員長と交代)
◯藤田長寿社会課長=
緊急通報体制等整備事業についてでございます。
 緊急通報体制等整備事業につきましては、現在、県内の全市町村で実施をされておりまして、事業費につきましては十四年度が一億二千八百万円程度、それから平成十五年度予算額ですけれども、一億三千三百万円程度の事業というふうになっております。
 この事業は、緊急通報装置の給付や貸与などによりまして、ひとり暮らし高齢者等の急病や災害等の緊急時に迅速かつ適切な対応を図るというものでございまして、市町村の方からは、例えば、自宅で転んで起き上がれなくなった高齢者からの通報に対しまして、近所の協力員が駆けつけ大事に至らなかったというような事例でありますとか、ひとり暮らしの女性高齢者からの緊急通報に対しまして、すぐに救急車を要請し病院に搬送をしたことにより一命を取りとめた事例、こういった事例を初め、多くの成果があるというふうに聞き及んでおります。そういうことから、家族の方からも感謝の声も大きく聞かれておりますので、本事業の実施効果は高いというふうに考えてございます。
 このように緊急通報体制等整備事業につきましては、配食サービスとともに高齢者の命にかかわる事業として重要だというふうに考えておりまして、今後とも利用者の増加や通報体制等の整備が図られますように積極的に市町村を支援してまいりたいというふうに考えております。

◯石井委員=
そういうことで配食サービスと絡めながら、この緊急通報体制についてはぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、市町村と連携を組んでいただきたいと思います。
 そして、最後の施設整備ですけれども、在宅での生活が困難な高齢者の方たちが安心して生活ができますように、特別養護老人ホームの整備が必要だと思うんですね。この特別養護老人ホームの施設整備、これがどういうふうになっているのかお伺いいたします。
◯藤田長寿社会課長=
施設整備についてということでございますが、特別養護老人ホーム等の介護保険施設につきましては、これまで計画的に整備を図ってきたところでございまして、平成十五年四月一日現在の六十五歳以上人口に対します整備率は四・〇七%、全国平均が三・一五%ということでございまして、全国で第六位の高い整備水準というふうになっております。
 今後とも要介護者の増加が見込まれているところでありまして、在宅での生活が困難な高齢者のために私ども第二期さがゴールドプラン21に基づきまして、特別養護老人ホーム等の計画的な整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

◯石井委員=
今、佐賀は全国六位という話が出ましたけれども、私たちが聞く限りにおいては特別養護老人ホームに入る待機者といいますか、その方たちが非常に多いんですね。ですから、恐らく皆さんがデータでとられている数字以上にやっぱりもっと施設整備が必要じゃないかなと、そういうふうにも思っております。ですから、その辺は実情をもう一回よく調べ直していただきたい、そういう要望をしておきたいと思います。
 次に、老人保健法に基づく高額医療費の償還払いについてお伺いをいたしたいと思います。
 昨年十月、老人保健法の改正によりまして、七十五歳以上の高齢者の方たちは病気とかけがをしたときにかかった医療費の一割を病院などの窓口で一たん支払いまして、その額が限度額を超えた場合は後日、市町村に請求して払い戻しを受けるという制度が始まりました。
 この償還払いにつきましては、ある団体が制度導入をいたしましてから払い戻しの実態について全国、これは二十一県ですかね、千百八十二の自治体を対象に調査をしたと。ことしの三月の末時点において全国で約三割の高齢者が払い戻しを受けておらず、この未支給額は七億二千八百万円にも上るという報告が出ておりました。
 これは、高齢者が制度改正の内容を知らなかったり、あるいは事務手続が複雑だったり、払い戻しの請求を行わなかったことによりまして払い戻しを受けてないからではないかと思うんですね。だから、こういう金額が出てきたんじゃないかと思います。
 この制度は、七十五歳以上の高齢者が対象でありまして、該当者すべてが償還を受けられるよう制度の周知徹底、あるいは手続の簡素化、きめ細かなサービス、こういうものを行うことが大変重要だと思います。この高額医療費の償還払いというのはどういうものなんでしょうか。
◯山田医療保険室長=
お答えいたします。
 償還払い制度でございますが、先ほど委員の質問の中でございましたけれども、昨年の九月までは老人医療の受給対象年齢は七十歳以上になっておりました。そして、医療機関の窓口で支払います一部負担金につきましては原則一割負担でございますが、外来、入院ごとに月額の上限が定められておりまして、例えば、外来の場合は一月三千二百円を超える額については支払う必要がございませんでした。
 そして昨年の十月の老人保健法の改正によりまして、受給対象者が七十五歳以上に改正されたわけでございます。一部負担金につきましては、従来の月額上限制が廃止されまして、医療費の一割、一定以上所得者は二割の負担となりました。そして、一部負担金の窓口での支払いは外来の場合は一たん全額を支払うことになりました。そして、その一部負担金が高齢者にとって過大な、過重な負担とならないように所得区分に応じて設けられました一カ月間の自己負担限度額、こういうものがございまして、これを超えた場合は後日市町村に請求をして払い戻しを受ける、そういうものでございます。
 この一部負担金のうち、自己負担限度額を超える分を高額医療費と言っておりまして、払い戻しを受けることを償還払いと言っております。
 以上でございます。

◯石井委員=
先ほど申し上げましたように、この調査によりますと、約三割の高齢者が払い戻しを受けてないということでありましたけれども、県内ではどういうふうになっているんでしょうか。
◯山田医療保険室長=
お答えいたします。
 県内の償還払いの状況でございます。
 これにつきましては、昨年十月診療分を今年の三月末時点での状況を市町村に照会しましたところ、県全体で高額医療該当者は一万一千八十三人、それの払い戻すべき金額、これが七千五十万八千円となっておりまして、このうち払い戻し申請者数は九千五百十三人、払い戻された金額六千二百三十六万九千円となっております。そして、未申請者数は千五百七十人でございまして、該当者に対する割合が一四%となっております。それから、支払われていない金額については八百十四万円、全体の金額に対しまして一二%となっております。これは市町村ごとに見ますと、三割を超えている市町村が五市町村ございます。市町村によって高額医療費の償還にかなりの差があるようでございます。
 以上でございます。

◯石井委員=
市町村によってばらつきもありますが、この原因というのはどういう原因があったんでしょうか。
◯山田医療保険室長=
お答えいたします。
 これらの原因といたしましては、昨年の制度改正によりまして高額医療費の計算方法や償還手続が複雑になったと。例えば、この制度については一たん全額を支払いまして、後、請求により戻ってくるというシステムでございますが、こういう面が高齢者にはかなりわかりにくくなったこと、そういうことが考えられます。
 それから、償還金額が少額な場合にすぐに申請をされない、そういうことも聞いております。
 それから、小規模な一部の市町村でございますが、制度が始まったばっかりということで、一度に発生しました支給事務、そういうものになれずに事務的に滞りが生じた、そういうことも聞いております。
 以上でございます。

◯石井委員=
今、制度が始まってそう時間もたってないということで、いろいろ理由はあると思いますけれども、そういう原因をしっかり把握していただいて、こういうことが一〇〇%まではいかなくても出ないように、また市町村とも連携をとっていただきたいと思います。そうなってきますと、この制度の周知の徹底、これが大事だと思いますね。この償還払いというのは新しい制度ですから、制度の十分な徹底をぜひやっていただきたいと思いますけれども、今までどのような周知を行われたんでしょうか。
◯山田医療保険室長=
お答えいたします。
 制度の周知でございますが、昨年の制度改正時に県内のほとんどの市町村が市町村の広報誌等による周知、それから県の国保連合会が作成しました国保だより、それから国民健康保険中央会、これは東京の団体でございますが、ここが作成しましたパンフレット、そういうものの該当世帯への配布によりまして周知を行いました。
 それから、高額医療費の支給対象者には、はがきにより申請の手続等の通知を行っているところでございます。
 また、それぞれの市町村の取り組みといたしまして、チラシやパンフレットによります周知、それから老人医療受給者証交付時での説明、それから老人クラブ等での制度説明等の周知のほかに、未申請者につきましては再度はがきによる通知、それから電話、それから戸別訪問等によります制度の周知や申請の促進を行っているところでございます。
 以上でございます。

◯石井委員=
この申請手続がなかなか複雑なんでしょうかね、やっぱり高齢者の方は手続が簡単と申しましょうか、簡素化するとなおいいんじゃないかと、そういうふうに思っていらっしゃると思います。この簡素化について行っていらっしゃるのかどうか、その辺のことをお伺いします。
◯山田医療保険室長=
お答えいたします。
 申請手続の簡素化についてですが、手続の簡素化につきましては国の方から高齢者が支給申請する際の負担軽減を図るために、支給申請書の記入事項の簡素化、申請時に領収書等の添付を求めない。それから、本人申請が困難な場合は家族等の代理申請、それから申請書の郵送、そういうものもできると。同一世帯に複数の高齢者が存在する場合は申請書を一枚とする。申請書の提出は初回のみとする。それから、支払いは金融機関への口座振り込みを行うなどの対応を行うよう通知がありまして、県もこれに準じまして、市町村に対する指導を行ったところでございます。
 その結果、県内ほとんどの市町村においてこのような簡素化の取り組みが既になされているところでございます。
 以上でございます。

◯石井委員=
市町村に対して簡素化の指導を行ったということであります。この市町村の取り組み方によっては未申請者が減ってくると思われるんですね。市町村に対してどのような指導を行われたんでしょうか。
◯山田医療保険室長=
お答えいたします。
 市町村に対する指導につきましては、法改正を受けまして申請手続の簡素化の指導、それから広報等の活用に対する指導等を行っております。
 それから、先ほど県内の状況等御説明いたしましたけれども、そういう調査の際に未支給率の高い市町村につきまして事情等をお伺いしまして、改善の指導を行ったところでございます。
 あわせまして、市町村の担当課長会議をそれぞれやっておりますが、そのときにおいても支給事務の円滑化等について指導を行ったところであります。
 高額医療費の受給権は時効が二年となっております。この時効にかかることなく、該当者すべてが支給を受けられるよう、今後とも未申請者の多い市町村につきまして個別に事情聴取を行いまして、改善の指導を行いますとともに、他の市町村についても会議等の機会をとらえ、制度の周知や申請漏れ防止等について指導をしていくこととしております。
 特に、多くの市町村では高額医療費の支給申請は一度行えば後は口座振替で自動的に入金される仕組みを導入しているところでありますので、そういう仕組みを導入していない市町村に対する普及や、それから高齢者に対しまして手続の簡便性、そういうものの周知の徹底について市町村をさらに指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯石井委員=
はい、わかりました。
 それでは、最後に重藤厚生部長にお聞きをいたしますが、今、高額医療費の問題、全国的に見ますと隣の福岡は一億円超えたと、ここまで未払いが大きいとは思わなかったとか、そういうこともありますし、県内でもばらつきがありますけれども、多いところと少ないところ、その辺のばらつきをどうなくしていくのかという問題がありますね。
 そして、未払金がゼロの自治体も実は九州の中にはあるんです。これは、どういうことでゼロになったのかということを調べておりました。先ほど答弁にもちょっと出ましたけど、やっぱり戸別訪問、これですね。それと、電話とかはがきもあるでしょうけど、やっぱり戸別訪問、これでゼロになったんじゃないかと思うんですね。そして、通院していない人も含めて、全員から振込先の口座番号などを記入した申請書を出してもらったと、そういう工夫をしているわけですね。もしやってなかったらこういういいものはぜひ参考にしていただきたいと思います。
 それと、先ほどのひとり暮らしの高齢者の部分ですけれども、将来の不安を感じている高齢者の割合が非常に少なくなっているというデータも出ているんです。これは内閣府ですけれども、経済的に心配がないと答えた高齢者も七八%に上ったというデータも出ています。
 ただ、内閣府では、同居に伴う親子や嫁・姑の関係が煩わしいためにひとり暮らしを選んでしまう面もあるんじゃないかという分析もしております。ですから、自立している高齢者がふえているという見方を示している一方で、明るいひとり暮らしをされている方ばっかりではないという面もあるということであります。
 こういうのを含めて、きょうは高齢者福祉、それから、老人保健法に基づく高額医療の二つを質問させていただきましたけれども、最後にこの二つに限って厚生部長の気持ちといいますか、取り組みを聞かせていただきたいと思います。
◯重藤厚生部長=
まず最初に、高額医療費の償還払いにつきましては、先ほどいろいろ参考となる事例を教えてもらいました。私どももいろいろ調べまして、さまざまな機会に市町村の参考になるように、こちらの方からこんな事例があるよということで周知徹底をして、きちっとやるように指導してまいりたいと思います。
 それから、ひとり暮らしの高齢者の問題でございます。それは先ほども申し上げましたように、とにかく安全の確保と生きがいを持って生活できるように、また日常生活の利便性というようなことについて、とにかくいろんな施策等でカバーしていきたいなというふうに考えています。とにかく元気なお年寄りをつくるということは、医療費の観点からも大変重要なことでございますので、そこら辺、力を入れていきたいと思っております。

◯石井委員=
よろしくお願いします。
 それでは、環境生活局にお伺いをいたしたいと思います。
 リサイクル関連法と不法投棄対策についてであります。
 廃棄物の不法投棄は後を絶ちません。リサイクル関連法の施行によりまして少なくなるかなと思っていたんですけれども、増加をしているんじゃないかというふうに懸念をいたしております。特に、リサイクル費用を消費者が負担することとなるリサイクル法の対象となる品目については、その傾向が大きいということを言われております。
 御承知のように、家電リサイクル法が平成十三年の四月に施行されました。テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の四品目であります。これはそれまでは粗大ごみとして市町村で処理をされておりました。施行日以降はリサイクルにかかる費用を消費者が負担し、メーカーが引き取りというリサイクルシステムに変わったということから不法投棄がふえているんじゃないかなという指摘があります。
 また、この十月一日、あさってから家庭系パソコンについて新しい法律が施行されるということ、そして、平成十七年の一月からは自動車についてもメーカーの回収、リサイクルが義務づけられることに決定をいたしております。
 この二つのリサイクル法においてもユーザーがリサイクル料金を負担することになりまして、廃家電四品目と同じように不法投棄を懸念いたしております。
 不法投棄された廃棄物の処分については、原因者が特定できないなど最終的に行政が行わざるを得ないこともありますが、そのために費やされる労力と費用というのは大変な例があります。例えば、香川の豊島、青森、岩手の県境の不法投棄、こういうものを見ましても膨大な金額がかかります。その対策として不法投棄の未然防止、あるいは発生した場合の速やかな処理が必要と考えます。
 そこで、家電リサイクル法の施行状況についてでありますが、この法が施行されて二年半が経過をいたしました。全国及び県内におけるこの廃家電四品目のメーカーの引き取り状況はどうなっているんでしょうか。
◯行武環境生活局副局長=
廃家電の引き取り状況でございますが、家庭や事業所で使用済みとなったテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、この家電四品目につきましては消費者がリサイクル料金と収集運搬料金を負担の上に販売店に持ち込み、販売店はメーカーが設置した指定引き取り場所、これは全国で三百八十カ所ございます。県内では四カ所、鳥栖市、多久市、佐賀市、唐津市、この四カ所にございます。こういった指定引き取り場所に持ち込みまして、リサイクルされるシステムとなってございます。
 全国の例で申し上げますと、メーカーが設置した指定引き取り場所に持ち込まれた廃家電の台数でございますが、平成十三年度では約八百五十四万九千台、平成十四年度では約一千十五万台、これは対前年度比で一九%増となってございます。
 県内におきましても平成十三年度では五万九千台、平成十四年度では六万九千台、こういった形で対前年度比一七%増と増加をいたしております。
 また、平成十五年度に入ってからも全国、県内とも前年度を上回るペースで持ち込まれておりまして、この法律の趣旨が浸透しているものと考えているところでございます。

◯石井委員=
メーカーの引き取り状況はよくわかりました。大変な数でふえております。平成十三年の五万九千、十四年の六万九千と一万台ふえております。
 そこで、この四品目の不法投棄の状況、これは全国と佐賀県に分けてお願いします。
◯行武環境生活局副局長=
不法投棄の状況でございます。
 まず全国の例でございますが、廃家電四品目の不法投棄の台数は、平成十三年度で十二万七千四百二十九台、平成十四年度では十五万三千二十六台、これは前年度比で二〇%増加をいたしております。
 県内におきます不法投棄台数でございますが、平成十三年度で五百四十一台、これが平成十四年度では九百八台、これも前年度比で六八%増加をいたしておりますけれども、引き取り台数と不法投棄台数の合計、いわゆる廃棄台数に対します不法投棄台数の割合でございますが、これは平成十三年度で申し上げますと〇・九%、平成十四年度では一・三%でございまして、これは全国平均の平成十三年度、平成十四年度、いずれも一・六%という状況になっておりますが、全国平均よりも下回っておるという状況でございます。さらに、平成十五年度では、七月までの状況ではございますが、一・〇%と改善傾向にあるといった状況でございます。

◯石井委員=
改善傾向にあるということでありますから、ちょっと一安心をしたんですけれども、なかなか手は緩められないですね。
 次に、あさってから施行されます家庭系パソコンのリサイクルのシステムはどういうふうになっているんでしょうか。
◯行武環境生活局副局長=
お答えいたします。
 平成十三年四月から施行をされております資源の有効な利用の促進に関する法律、これに基づきまして、これまで事業活動に伴って排出されたパソコンにつきましては製造等事業者による自主回収及び再資源化の対象となっておりましたが、今般、省令の一部改正がございまして、先ほど御指摘ありましたように平成十五年十月一日から家庭から排出されるパソコンにつきましても製造等事業者による自主回収及び再資源化が実施されることとなったところでございます。
 これを受けまして、社団法人電子情報技術産業協会への参加メーカー三十六社ございます。これは国内で出荷されるパソコンの九八%のシェアを占めておるわけでございますが、この三十六社では家庭系パソコンにつきましてメーカーが郵政公社と提携をし、全国約二万カ所の簡易郵便局以外の郵便局を指定回収場所といたしまして、ゆうパックによる戸口回収を実施することといたしております。
 リサイクル費用につきましては消費者が負担することになりますが、家電リサイクル法と違いまして、リサイクル費用の販売時負担方式が導入されておりまして、制度実施後、十五年の十月一日以降に販売される家庭系パソコンが使用済みとなって、メーカー等の指定回収場所に持ち込まれた場合はメーカー等により無償で回収・リサイクルされることになります。
 なお、制度実施以前に販売された家庭系パソコンにつきましては、排出時にリサイクル費用を徴収されることになりまして、料金につきましてはメーカーごとに順次公表されているところでございますが、ノートブックパソコンにつきましては三千円、デスクトップパソコンにつきましてはパソコン本体とディスプレー合わせまして七千円ということで設定されておる状況にございます。

◯石井委員=
たまたまですけど、きょうの新聞に出てましたですよね。これは家庭系パソコンのリサイクル、あさってから始まるということですけれども、この不法投棄の記事がきょうも出てました。これは予防が大変ですね。それと同時に、制度の周知徹底、これがまた重要になってきます。この辺についてこれまでどのように取り組んでこられたのか、お伺いをいたします。
◯行武環境生活局副局長=
不法投棄の防止につきましては、ただいま御指摘がございましたように制度の周知徹底が非常に重要でありまして、県といたしましては十月の制度のスタートに向けまして県民だよりや県のホームページでの広報活動、それに市町村の広報誌等による周知依頼、国が作成したポスター、チラシの配布、こういったもの等を行っているところでございまして、今後ともあらゆる機会をとらえて広報を実施してまいりたいと考えておるところでございます。

◯石井委員=
あさってから始まりますけど、またいろんな反省点も出てくるかもしれませんので、しっかりと状況を把握していただいて対策を打っていただきたいと思います。
 次に、平成十七年の一月から施行されます自動車リサイクル法についてでありますけれども、この自動車リサイクル法の内容を教えてください。
◯行武環境生活局副局長=
自動車リサイクル法の内容についてでございますけれども、使用済み自動車のリサイクル・適正処理を図ることを目的といたしまして、昨年の七月十二日に使用済み自動車の再資源化等に関する法律、いわゆる自動車リサイクル法が公布されたところでございます。
 この法律では、自動車製造業者等はみずからが製造、輸入した自動車が使用済みとなった場合に、シュレッダーダストやエアバッグ類、フロン類を引き取ってリサイクルすることを義務づけられるとともに、使用済み自動車のユーザーや引き取り業者、これは自動車の販売業者でありますとか整備業者等でございますが、こういった引き取り業者、それに解体業者、破砕業者に対しまして引き取り、引き渡し義務等の一定の役割分担をすることによりまして、リサイクルシステムを構築することにしております。
 リサイクル料金につきましては、ユーザーが負担することになっておりまして、新車につきましては購入時、既販車につきましては法施行後最初の車検時に負担することとされております。その金額につきましては、今後、製造業者等がそれぞれ設定、公表する予定でございまして、自動車のエアバッグの数やシュレッダーダストの量等により変わってくるものと思っております。

◯石井委員=
そうなってきますと、今後のスケジュールをやっぱり知りたいと思いますし、重要になってくると思います。このスケジュールはどのようになっているんでしょうか。
◯行武環境生活局副局長=
法施行のスケジュールについてでございますが、法律は段階的に施行されるということとされておりまして、昨年七月の公布以降、国においてパブリックコメントの募集、リサイクル料金の管理等を行う団体の指定が行われたところでございまして、ことし八月には引き取り業、解体業、破砕業、こういった業者の登録でありますとか許可、こういった基準を初め、制度の詳細に係る政省令が公布されたところでございます。
 今後、平成十六年七月から引き取り業者、解体業者、破砕業者の登録・許可制度が施行されることになっておりまして、その半年後の十七年一月から法の完全施行がされることとなっておるところでございます。

◯石井委員=
スケジュールはわかりました。そうなってきますと、県が担う事務、そういうものは何かありますか。
◯行武環境生活局副局長=
県の対応する事務ということでございますが、法律の施行によりまして引き取り業者は都道府県知事の登録制、解体業者及び破砕業者は都道府県の許可制ということになりますために、県では登録事務及び許可事務を担うことになります。
 また、県はこれらの事業者に対する指導、助言、勧告及び命令並びに報告徴収及び立入検査を行うことができることとされております。
 また、これら制度の周知徹底につきましては、国において関係事業者に対する説明会を本年十月二日及び来春に開催する予定でございます。また、自動車の所有者等ユーザーに対する広報を平成十六年度から本格的に実施をすることとされておりますが、県といたしましても国の動きを踏まえながら関係事業者への説明会の開催でありますとか、県民に対する広報を実施することといたしておるところでございます。

◯石井委員=
ぜひさまざまな形で広報活動を強めていただきたいと思います。
 次に、不法投棄対策についてですが、不法投棄が非常に心配です。せんだって、山口県で漁港の修築工事の際に廃車約五十台を違法に埋め立てていたという記事も出ておりました。私どもは県内ずっと走っておりますと、廃車を野積みにしたようなところをあちこちで見かけることがあります。そういうのも踏まえながら、この不法投棄対策というのは本当に重要なんですね。ですから、この辺の課題、県としてどういうふうに思っておられるのか、お伺いをいたします。
◯行武環境生活局副局長=
不法投棄対策につきましての課題ということでございますが、不法投棄対策につきましては、まずは県民、事業者が適正に処理しなければならない、こういった意識を持っていただくことが非常に重要であると考えておるわけでございまして、家電、パソコン、自動車についてのリサイクル関連法の制度趣旨を十分理解していただくことが必要でありますことから、マスメディアや県及び市町村の広報誌、ホームページなどによる普及啓発に今後とも努めていくことといたしております。
 また、市町村の担当課長から成る一般廃棄物対策連絡会議、こういったものとか、家電メーカー、家電販売所、市町村等の関係者で構成する佐賀県家電リサイクル法関係者協議会、こういった場におきまして不法投棄対策についての意見交換でありますとか、情報提供を行っておるところでございます。
 さらに、不法投棄が発生した場合は県警などとの合同調査でありますとか、土地の管理者等の事情聴取を実施するなどによりまして原因の究明に努め、原因者または土地管理者等による原状回復措置を行わせているところでございます。
 家庭リサイクル法施行後の不法投棄事案でございますが、嘉瀬川河川敷における冷蔵庫等の不法投棄など三件が摘発されておりまして、いずれも原状回復がなされたところでございます。
 いずれにいたしましても、不法投棄の防止につきましても今後とも全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。

◯石井委員=
それでは最後に、古川局長に地域と一体となったごみ問題の取り組みについてお伺いします。
 一般廃棄物は市町村が処理をいたしております。その適正な処理を推進するためには住民の協力が不可欠であります。そのためには、住民に対する啓蒙普及、こういうものが大変重要であります。その手法等について市町村に情報提供する、こういう支援をぜひ行うべきだと思います。
 また、ごみの問題につきましては、環境問題もひっくるめてそうですけれども、やっぱり子供のころから教育をぜひすべきだと思います。私も五年前ぐらいになりますか、環境先進国の北欧の方に視察に行く機会がありました。やっぱり非常にきれいだから、よく聞いてみますと、それは小学校、中学校から教育をしてないといけないと。もう家庭の中で生まれたときから、例えば、このごみはここに捨てるんだと、こういう分別をして捨てるんだと。ペットボトルはもうこういうふうに捨てるんだと。ペットボトルは、ラベルをはいで捨てなきゃいけないとか、生ごみはこういう形で捨てなきゃいけない、これはもう家庭の中で既に教えているんですね。
 ですから、いつかも環境生活局の皆さんと話をしたこともありますけれども、ぜひそういう普及啓蒙、それから教育ですね。もう小学生じゃなくて、例えば、幼稚園とか保育園、そういうところでも何かわかりやすい形でこういうごみの問題を取り組んでいっていただければ、なお一層進展をするんじゃないかなと思っております。どうか環境生活局長さんのその辺のことを含めた気持ち、所信をお伺いいたしたいと思います。
◯古川環境生活局長=
ただいま各種リサイクル法の課題といいますか、問題点、さらに不法投棄対策等につきましていろいろ御議論、御指摘いただいたところでございます。
 平成七年に容器包装リサイクル法が施行されまして、この容器包装リサイクルにつきましては各家庭、県民の皆さんは本当に一生懸命やっていただいて、スムーズにいっているんじゃないかと思っておりますが、今、御指摘いただきました十三年四月に施行された家電リサイクル法については御指摘のとおりでございまして、まだまだ十分じゃございませんし、また来月からはパソコン、PCリサイクル法が始まる。さらには、十七年から自動車リサイクル法というようなことで、これをきちっと運用していく必要があります。
 そのためには、例えば、容器包装リサイクルにしましては、分別排出を徹底していただくと。さらには、家電リサイクル法等につきましては持ち込みと引き取りのシステムというのをきちっとするために、まずは県民の皆さんが十分その制度を理解していただく。そのために、私どもは普及啓発をやっていかにゃいかんと思っております。また、業界、事業者に対してもきちんとした指導を徹底させにゃいかんということで私どもは業界とも話し合いをさせていただいているところであります。そういったことで、このリサイクルの運用については今後ともしっかりした対応を図っていきたいと考えております。
 そういう中で今御指摘にありましたように、それぞれ、一般家庭ごみもそうなんですけれども、これはもう有料化になっているわけですね。それぞれのユーザー、消費者が負担するということで、中には七、八千円という高い額にもなりますので、やはり御指摘のとおり不法投棄が心配されます。
 そこで、不法投棄につきましては、私どもはこれまでも市町村と一緒になりまして、合同パトロールでありますとかスカイパトロールでありますとか、あるいは県内に二百名の監視員さんがおられますので、そういう方からの通報、さらには警察との合同の調査とか、また県庁職員も環境ボランティア千五百人おりますけれども、県庁職員と産廃協会の青年部と合同によります廃棄物の一斉点検、撤去、こういったこともやってきております。
 さらには、市町村では郵便局とかタクシー会社と連携をしましては、そういう通報体制の整備を図る。こういうようなことで、いろいろと工夫しながらやっております。
 しかしながら、依然として不法投棄が後を絶たないような状況でございます。そういった中で、今後とも通報・監視体制をしっかりやっていきたいと思っております。
 また、不法投棄があった場合には、警察と合同でもって徹底した調査を行いまして、原因者を追及し原状回復をさせると。これまでも何回かさせておりますけれども、そういったことを徹底させたいと思っております。
 そういったことで、地域の環境について市町村、県、また地域の皆さんと一緒になって不法投棄対策をしっかりやっていかにゃいかぬと思っております。
 それから、環境教育も非常に重要な課題ではあります。これまでも学校の総合的な学習の時間等の中でもトップに挙げていただいておりまして、社会教育の中でもいろいろとやっていただいております。
 これをさらにきちっとした形で体系的な環境教育を展開する必要があるのじゃないかということで、今年度、佐賀県環境教育基本方針というものを策定することにいたしておりまして、学校関係者等々、専門家の皆さんと今御議論をいただいておるところでございます。
 この基本方針の中でどういったものが出るかわかりませんけれども、出されました内容につきまして、今後その活用を図って教育委員会、市町村、あるいは地域と十分連携を図りながら、環境を守り育てる心の育成と実践活動の促進に努めていきたいと考えておる次第でございます。
 どうぞよろしくお願いします。