第 1 回
九州各県議会議員研究交流大会
第 2 分 科 会
【佐賀県議会 石井秀夫議員】
佐賀県議会の石井と申します。
私ども佐賀県は、88万人弱の小さな県でありますけれども、これまで4地区18市町村で合併が決まっております。本年1月1目には2つの地区、これ、唐津市と白石町というところで合併が実現をいたしました。3月1目には残りの2地区、これは小城郡と申しておりますけれども、小城市、それから、みやき町というところで新しい市と町が誕生することになっております。その他、1地区5市町村、これは佐賀市を中心でありますけれども、県への合併申請が終わっておりまして、残りの26市町村中14の市町村、これ、6地区ですけれども、法期限を視野に置いた合併協議が行われております。
仮に、この協議がうまくいくといたしますれぱ、平成18年3月末では、現在の49市町村が23市町村となりまして、市町村の数が半減するということになります。ちなみに、昨日、この唐津市長選挙が告示になりまして、お二人が立侯補しておりまして、一騎打ちになっているところであります。この合併の成功事例をちょっと申し上げますと、合併が成功した市町村では、いわゆる市町村の首長さんの確固とした信念あるいはリーダーシップ、そういうもの、議会とか住民の方たちへの十分な説明をなされているということが共通をしております。
合併が成功しないか、成功するかは、私自身は、これはやっぱり首長さんの取り組み状況が大変な比重を持っているんじゃないかなと、そういうふうに考えております。この個別の成功の要因といたしましては、唐津市の場合を申し上げますと、唐津市、東松浦郡というのは、昔から文化・経済、この圏域が一体性で非常につながりが強かったこと。あるいは、昭和41年から、この圏域で電算とか、ごみとか、し尿、消防、介護保険などの広域行政のサービスを、広域圏組合を形成してやってきたというところがあると思います。ただし、ここに、玄海町という、原発立地市町村である玄海町の基金が、残高が155億円ぐらいありまして、この原発の基金をめぐりまして、玄海町が昨年の8月1目に離脱をいたしました。そしてまた、もう1つ、七山村というところがありますけれども、この七山村は、合併して周辺となる不安のために、議会が否決をいたしました。
これを受けて、議会の解散請求(リコール)が提出されまして、住民投票の結果、解散決定が平成16年の7月11目にありました。新議会の構成が、合併賛成派が7、反対派が3という形になりました。そして、村長の合併への取り組みが非常に消極的だということがありまして、村長の解職請求が提出されまして、住民投票の結果、解職が決定をいたしております。あと、協議不調の事例もありますけれども、これは、現在、合併協議を行っている1合併協議会当たりの市町村数は、1地区当たり二、三市町村でありますけれども、当初の合併協議の枠組みから見ますと、かなり小さくなっております。
この原因は、合併協議会の分裂、あるいは合併協議会からの離脱にありまして、平成15年4月以降から数えましても、合併協議会の解散が5地区25市町村、法定合併協議会からの離脱が3地区4市町村となっておりまして、合併協議を行っていく中で意見が対立、あるいは調整不能、そういうものがありました事例が多かったことを物語っているんじゃないかなと思っています。
新市の名称では、実はこれは、私、嬉野温泉というところなんですけれども、1市3町で武雄市、嬉野町、塩田町、山内町というところでありまして、これは、合併協議会委員の投票の結果によって、一たんは「湯陶里(ゆとり)市」という名前を決定したんですけれども、これが武雄市民からの反対が相次ぎまして、最終的に再協議をすることになったんですけれども、武雄市以外の名称では協議できないということで、武雄市が離脱をすることになって、これがオジャンになりました。
この協議が難航する背景、原因については、合併が求められる背景や必要性に対する理解不足があるんじゃないかと、そういうふうに思います。それと、少子高齢化の進行、あるいは今後の財政状況、いわゆる地方分権の推進状況、こういうものが住民の間に現実感を持って浸透していなかったんじゃないかなと、そういう気もいたしております。こういうことを原因として、将来の財政見通し、あるいは行政水準を、合併する場合としない場合を比較して、わかりやすく住民の方に説明する機会、場が少なかったんじゃないかなと、そういう気もいたしております。
そしてまた、いわゆる首長さんとか議員さんが合併に反対する、あるいは住民の方たちが合併を支持するという、こういう、さっき申し上げました七山村みたいなねじれ現象がありまして、なかなかうまくいかなかったと、こういう障害があったと思われる事例もありました。私からは以上です。