第 1 回
九州各県議会議員研究交流大会
第 2 分 科 会
【鹿児島県議会 松里保廣議員】
鹿児島の松里でございます。現在、県議会で総務警察委員長を仰せつかっております。お手元に資料等をお届けしてありますので、それを見ながら聞いていただきたいと思います。
それでは、鹿児島県の報告をさせていただきます。まず、本県の市町村合併についてですが、資料1-2をごらんください。本県の市町村数は、明治21年に917あったものが、明治の大合併、昭和の大合併を経て減少が進み、昭和42年4月29目の鹿児島市と谷山市の新設合併を最後に96市町村となっていました。平成の大合併により、既に新しい自治体として発足したものが2自治体ありまして、平成17年1月11目現在の状況では、平成18年3月までにさらに9の新自治体が誕生する見込みとなっており、その結果、市町村数は63となる見込みでございます。
本県の市町村合併の詳細につきましては、資料1をごらんください。本県におきましては、合併推進の各段階に応じた支援を行ってまいりましたが、地方分権に対応できるだけの合併が達成されるかというと、必ずしもそうとは言えない状況でございます。そういった中で、本県は、平成16年度までに45法令、307事務を県から市町村へ移譲しております。また、昨年就任しました伊藤知事のマニフェストに掲げられた「県と市町村との間での権限・財源移譲に係るプログラム」の策定に向けた取り組みがなされており、知事と市町村長との意見交換会も開催されております。
この意見交換会の内容につきましては、資料2をごらんください。地方分権に関しては、基礎白治体である市町村への分権というのが非常に大切ですから、一定規模以上の市町村に対しては、県からも権限、財源、ついでに人間、つまり人材も、「三ゲン」まとめて移譲していただきたいものだと、私は思っております。鹿児島県も御多分に漏れず、財政が危機的状況にありまして、財政再建団体が目の前に迫っております。
この状況を踏まえて、昨年末、持続可能な行財政構造の確立を目指して、県政刷新大綱骨子が策定されました。資料3がそれでございます。その中でも、分権型杜会システムの構築の必要性、自己決定・自已責任の原則に基づく県民の県政への積極的参加、増大する行政需要に対応するための市町村や民間との役割分担の見直しなどがうたわれております。
下水道事業を除き、介護保険の導入をもって、ナショナルミニマムもほぼ達成されているという前提に基づき、分権型杜会の構築がうたわれ、中央集権型システムの不効率な部分が合理化されることにより、結果として、財政の健全化が図れることとなるはずですが、現実は、財政再建の手段として分権が語られることが多いのではないでしょうか。
ナショナルミニマムが充足されているかは、その区域が、南北590キロにわたり多くの有人離島が存在している鹿児島県にあっては、大いに疑間の残るところでありますが、逆に、こういった鹿児島らしさを生かすには、中央からの権限と財源を移す必要があります。分権改革の論議の中で、日本の国のあり方を語るとき、「道州制」という言葉が出てきますが、統一した概念があるとは言いがたいのですが、基本的には、地方が独自に権限を行使できる仕組みと言えるのではないでしょうか。
この道州制につきましては、北海道がトップランナーでありますが、九州地方知事会は、「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」を設置し、昨年の10月に中間報告を行っております。もちろん、道州制となれば議会のありようも変わるわけですから、我々議員も、知事会任せではなく、こういった場で十分論議し、積極的に国に発言していくことが必要ではないでしょうか。これで報告を終わります。ご静聴ありがとうございました。