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平成20年度12月県土整備常任委員会
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~石井ひでお議会での質問事項

2008.12.11 : 平成20年県土整備常任委員会 本文


    午前十時四分 開議
◯土井委員長=おはようございます。ただいまから県土整備常任委員会を開催いたします。
 これより質疑に入ります。
 通告に従い、順次発言を許可いたします。


◯石井秀夫委員=おはようございます。きのうの現地視察、百聞は一見にしかずと申しますけれども、大変いい視察ができたと思って喜んでおります。
 今、景気が大変厳しい状況にありまして、ことしも残り余すところあと二十日ぐらいになりました。しかし、アメリカ発の金融恐慌、金融危機、百年に一度と言われておりますけれども、アメリカばかりじゃなくて、世界各地に飛び火をいたしております。
 日本も御多分に漏れずと申しますか、大変厳しい状況が打ち寄せてきております。きょうも新聞報道されておりましたけれども、きのう参りました伊万里市のSUMCO、六百人ぐらいの人員削減をするという記事が出ておりまして、大変心配をいたしております。それに先立って、トヨタ自動車、あるいはそのほかの自動車会社等も期間社員の方とか、そういう非正規社員の方とか、大変厳しい方針が打ち出されております。例えば、愛知県なんか、恐らく来年度予算の税収三千億円前後減るんじゃないか、あるいは豊田市なんかも二百億円、三百億円の税収が減るんじゃないかと、こう言われておりまして、大変心配をいたしております。
 そういう一方で、県内にも身近な問題としていろんな課題を抱えております。きょうはそういうものを順次取り上げていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、九州新幹線の西九州ルートについてお伺いをしてまいりたいと思います。
 御承知のように、この九州新幹線の西九州ルートは、今年三月に工事の実施計画が認可をされました。そして四月には嬉野市で起工式が挙行をされました。その後、建設主体であります鉄道・運輸機構によりまして、地元説明会が開催をされ、おおむね十年後の完成に向けていよいよ事業が着手をされたという形になっております。
 そういう中で、この円滑な事業の推進に加えて、開業に向けた、いわゆる新幹線のこの新しい駅を中心としたまちづくり、そしてその新幹線を活用した取り組み、こういうものが大変重要になってくると思います。その一方で、先ほども申し上げましたけれども、公共事業の減少、あるいは景気低迷が続く中で、特に県内の建設業界におきましては、西九州ルート建設工事に対して、大きな期待が寄せられていると思っています。できるだけ多くの県内業者がこの建設工事に携われるように取り組んでいくということが大変重要かつまた必要なことであろうと、そういうふうに思っております。
 そして、その建設業界に限らず、この建設工事に伴います調達物品、そういう物品についても佐賀県内で調達できるものは大いに活用してもらい、そして、少しでも県の景気浮揚につなげていくということが大変重要でありますし、かつまた必要であろうかと思っております。
 そういう中で、事業の進捗でありますけれども、この武雄市、嬉野市におきましては、ことしの五月から七月にかけまして、地元説明会が開催をされました。順次事業が進んでいくと思いますけれども、現在の進捗状況、まずそれからお伺いをしたいと、そのように思います。


◯村山新幹線活用・整備推進課長=西九州ルートの現在の事業の進捗状況でございますが、五月から七月にかけての地元説明会の後、七月から八月にかけまして、武雄温泉から諫早間の全区間の基準点測量及び中心線測量等が発注されております。実際の現地の作業は九月から始まっておりまして、今年度末、来年の三月ぐらいまでにかけて随時実施されているというところでございます。
 そして、十月には長崎県との県境に位置します全長約五・五キロの俵坂トンネル、そのうちの長崎県側ですけれども、約三キロメートルの区間のトンネル工事の請負業者が決定したというところでございます。この請負業者は、三社JVでございますけれども、このJVにおきまして現在、本体工事や仮設ヤード、また残土処分等に係る施工計画の作成が行われているということでございます。本格的なトンネル工事は平成二十一年度になる予定というふうに聞いております。
 以上でございます。


◯石井秀夫委員=本格的な工事は平成二十一年度からということのようであります。
 次に、この新幹線建設投資効果の拡大ということで、去る十月二十四日に建設主体であります鉄道・運輸機構、この発注の俵坂トンネルの西工区の開札が行われたと聞いております。その結果、県内建設業者二社を含む共同企業体、いわゆるジョイントベンチャーが落札をしたと、そういうふうに聞いております。
 これまで県とか関係市、あるいは商工会議所、商工会、それから議会、こういうところからこの鉄道・運輸機構に対しまして、県内建設業者の積極的な活用などについて要請活動が行われてきました。今も続いておりますけれども、今後この発注される建設工事において、たくさんの県内の建設業者の活用が図られるとともに、建設工事に伴い調達される建設資材、事務用品、日用品などなど、結構いろんなものがあると思いますが、これはぜひ県内から調達されるように新幹線の建設投資効果拡大の取り組み、こういうものをさらに強めていく必要があろうかと思います。それで、この十月二十日に「九州新幹線西九州ルート建設投資効果の佐賀県内への拡大を推進する会」というのが立ち上げられておりますけれども、この組織、これはどういう組織なんでしょうか。


◯村山新幹線活用・整備推進課長=「九州新幹線西九州ルート建設投資効果の佐賀県内への拡大を推進する会」という組織は、県内の経済団体、いわゆる商工会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体中央会の三者で本年十月二十日に設立されたものでございます。この会は、西九州ルートの工事に伴って、民間の立場から建設資材、事務用品、日用品等の地元調達を進めるということを目的にされております。
 これまでの活動といたしましては、鉄道・運輸機構や今回落札しましたJVとの窓口として、県産品や県内納入業者の優先活用についての要請を行っていただいております。また、県内業者の関係業者リストを作成し、また提出をされております。そのような取り組みをされているということでございます。


◯石井秀夫委員=先ほど県内のジョイントベンチャーが落札した中に、県内の二社が入っているということですけれども、これは二社、私も知っておりますけれども、落札金額は幾らになっていますか。


◯村山新幹線活用・整備推進課長=ジョイントベンチャーの落札金額といいますか、請負金額ということでお答えいたしますと、約四十六億円というふうになっております。


◯石井秀夫委員=今四十六億円という、そうめったにないような落札金額というか、請負金額になっております。これは今からどういう形でどういうところにこの四十数億円が使われていくか、そこまではよくわかりませんけれども、せんだって、知事は、例えば、文房具の一つとってみても、あるいは弁当、そういうもの、それから地元で調達できるもの、そういうものをぜひ活用していただきたいということでおっしゃっております。実際、知事も鉄道・運輸機構に出向かれましたし、それから、鉄道・運輸機構から知事のところにあいさつに見えたときにもそういう話を知事からしていただいております。その中で、先ほどから申し上げておりますけれども、佐賀県産品とか佐賀県の納入業者の優先活用でありますとか、県内建設業者の積極的な活用、あるいは県、市への工事の委託、この辺が私は大変重要になってくるんだろうと思いますね。この辺をぜひ力を入れていただきたい、そういうふうに思っています。
 それから、現地の建設所は、これは私も出席をさせていただきましたけれども、せんだって武雄市に設置が決定をいたしておりまして、いよいよこれも本格的に動き出すんじゃないだろうかなと、そういうふうに思っておりますけれども、この今私が申し上げましたような物品調達に係る県内業者の活用、こういうものに対して、県としてどういうふうな取り組みをしていくのか、その辺お伺いしたいと思います。


◯村山新幹線活用・整備推進課長=物品調達等に係る県内業者の活用について、これまで県の取り組みといたしましては、そういった県内業者の優先活用につきまして、鉄道・運輸機構の理事長、また、九州新幹線建設局長に対しまして、直接知事または副知事のほうから要請を行っております。この要請につきましては、今後とも引き続き機会あるごとに行っていきたいと考えております。
 また、先ほどお尋ねのありました県内の経済団体三団体で構成されております推進する会につきましても、民間の立場からそういった優先活用の取り組みをされております。県といたしましては、その設立に当たりましても鉄道・運輸機構やJVの商取引等に関する情報提供を行って支援をしたというところでございます。
 今後は、こういった鉄道・運輸機構による物品等の発注情報等を推進する会に速やかに情報提供するなど、推進する会と連携をいたしまして、実際に効果が上がるような仕組みをつくりながら、そういった県内業者の優先活用に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えております。


◯石井秀夫委員=ぜひこの推進する会、ここと定期的な連絡を取り合うとか、情報の提供とか、そういうのを密にやっていただいて、そして一つでも、一円でも県内業者にそういう注文といいますか、そういうのをお願いできるように頑張っていただきたいと、そういうふうに思います。
 それともう一つ、県内建設業者、この受注拡大の今後の取り組みということでありますけれども、県は鉄道・運輸機構に対して企業体への参加の要件の緩和とか、県内業者の優先活用、そういうものの要望をされております。そういう要望されたその結果として先ほどの三社ベンチャーになったのかなという気がいたしております。それでも、今からのことを考えますと、それだけではまだまだ十分とは言えない分があるわけですから、ここでやっぱり二の矢、三の矢打っていくという形で、これも県が中心的な役割を担っていただいた取り組みが大変重要になってくると思いますので、その辺のことについてはいかがでしょうか。


◯村山新幹線活用・整備推進課長=県内建設業者の受注拡大等の取り組みにつきましては、先ほど御答弁いたしましたように、四月及び六月に直接要請をしておりますが、鉄道・運輸機構の対応といたしましては、入札の公平性とか施工精度の確保、また、全国的な制度とのバランス等といった理由から、佐賀県が提案した内容をそのまま実現することは非常に厳しいという御認識でございます。
 ただ、先ほど委員御指摘のとおり、このままの回答で県といたしても満足するというものではございませんので、まずその後十一月に交通政策部長が鉄道・運輸機構の九州新幹線建設局長に対して、また、十二月九日、先日でございますが、副知事が鉄道・運輸機構の本社の担当理事に直接面会をして、改めて再度佐賀県の提案趣旨及び前向きな検討を要請したところでございます。
 今後、この提案内容をどのように実現させるか、また、実現が難しい場合にはその精神をどのような形で具体化していくかについて、関係者の知恵もおかりしながら、さらに精力的に働きかけてまいりたいと考えております。


◯石井秀夫委員=ありがとうございました。十一月には部長、十二月九日には坂井副知事が本社まで出向いていただいたということでありますので、これもまた年が明けましてもぜひまたお願いをしたいと、そういうふうに思っております。
 次に、いよいよ工事に着手してまいります。おおむね十年で完成だと、こう言われております。新しく嬉野温泉駅、仮称ですけれども、建設をされるわけですね。これ嬉野温泉駅を核とした、そういうまちづくりが嬉野市はもちろんですけれども、嬉野市周辺、あるいは県の西部地域、そして場合によっては長崎県、嬉野が長崎県との境に接していますから、そういうところも取り込んだ整備、そういうものが大変重要になってくるんだろうと、そういうふうに思っております。この嬉野温泉駅(仮称)の周辺の整備の計画、これは今のところ、どういうふうになっていますか。


◯西村まちづくり推進課長=新駅周辺の整備計画がどうなっているかということについてお答えします。
 委員御指摘のとおり、おおむね十年後の完成といっても、新駅周辺は農振農用地となっております。そのため、農振法や都市計画法の法手続を行う必要があり、十分な時間があると言える状況ではないと思っております。このため、新駅周辺の整備計画の策定を急ぐ必要があることから、嬉野市では新駅の周辺整備に関する調査を行うため、国に対して平成二十一年度予算の要望を行っていると聞いております。
 県としては、整備計画の策定や法手続など、市の取り組みが円滑に進むよう適切に支援していきたいと考えております。


◯石井秀夫委員=事務的なものが多いと思いますけれども、こういうものをなるべく早く済ませていただいて、そして実質的なものに取り組んでいくのが筋だろうと、そういうふうに思います。
 今、この新駅の周辺の整備については、嬉野市長あたりもいろんなことをおっしゃっています。日本一のバリアフリーの駅をつくる、そういうものも一つの方法じゃないかという提案もしていただいていますし、やっぱり個性あるまちづくり、新しい駅をつくると、こういうふうなことをやっぱり考えていかなくてはいけないんではないかなと、そういうふうに思います。
 私どももあちこち新幹線の新しい駅も視察に参りますけれども、大体ほぼ似通った、似たような駅が多いんですね。そういう似た駅もいいかもしれませんけれども、そうではなくて、やっぱり先ほど申し上げました駅を核とした、あるいはあの辺が恐らく区画整理事業も組み込んでくると思いますので、そういうものを想定しながら、先ほどの話じゃないですけれども、県が積極的にその辺に関与していくと、市とよく話をしながらやっていくということが大事だと思います。その辺のことを今後県としてどのような取り組みをされるのか、お伺いをしたいと思います。


◯西村まちづくり推進課長=今後の取り組みについてでございますが、新駅周辺のまちづくりについては、まずは地元である嬉野市において、地域住民の意見を聞きながら、まちづくりの方針や整備計画を定められるものと考えております。県としては、西九州ルート開業までのスケジュールを見据えながら、市に対してまちづくりに関するノウハウの提供や、先進地における新幹線新駅周辺のまちづくりに関する情報提供など、積極的に支援してまいりたいと考えております。


◯石井秀夫委員=積極的にぜひお願いをしたいと思います。始まったばっかりですから、ぜひお願いをしたいと、そういうふうに思います。
 それから、そういう取り組みの支援ですけれども、この新幹線を活用した取り組みというのは、新幹線の停車駅を持っている市とか町だけでなく、その周辺の市とか町にもそういう話を始めることが大事だと思いますね。そこで、このような取り組みを強く支援していくべきだと思いますけれども、その辺のことをお伺いいたします。


◯村山新幹線活用・整備推進課長=新幹線を活用した市、町の取り組みに対する支援ということでございますが、新幹線の開業効果を最大限に高めるということを求めるためには、委員御指摘のとおり、県内各市、町において、それぞれの地域が持ついろんな地域の魅力を引き出していくことが必要であるというふうに考えております。また、そのようなさまざまな魅力を持つ複数の市、町が連携していただいて、それぞれの資源を組み合わせていただくということによって、さらなる相乗効果も期待できるというふうに考えております。
 どのような資源を組み合わせるか等につきましては、地域として市、町それぞれで共通した方向性を出していただくと、そういうことをしていただければ県も積極的に支援したいというふうに考えておりまして、本年六月に県庁内の関係十六課で構成しております佐賀県新幹線活用プロジェクトチームというのを設立しておりますが、このプロジェクトチームにおきまして、それぞれの市、町、地域の取り組みへの支援とともに、例えば、複数市町の連携のあり方についても県といたしまして市、町に対して具体的に提案をしていきたいと考えております。


◯石井秀夫委員=十六課から成るPTでそういう議論をされているということ、大変いいことだと思います。
 それと、これも嬉野、鹿島、太良、それから有田、西有田、伊万里、こういうところにはいわゆる観光資源もいろんなものがたくさんあるわけですね。それはとりもなおさず、地元の市とか町が一番把握をされているわけですから、こういう各市とか町とかもしっかり連携をとって、いろんな話を聞いていただいて、そしてこの県の西部地区、ひいては佐賀県が一体となって取り組んでいくというのが必要だろうと思います。ぜひそういうものもやっていただきたいと思いますね。
 それともう一つは、じゃ佐賀県だけでいいのかという話になってきますから、やっぱりここは長崎県、そういうところともしっかり連携をとる、あるいは意見交換をする、情報交換をする、そういうものがあろうかと思います。その隣の長崎県──ちょっと福岡県は置いておきますけれども、長崎県との連携の強化と申しますか、そういうものはどういうふうに考えておられますか。


◯土井委員長=課長答弁でいいですか。


◯石井秀夫委員=部長、お願いします。


◯中村交通政策部長=ただいま委員からお話のありましたように、隣県の長崎県との連携というのも大変重要なことでございますし、まさに県が積極的に主体的に関与できる部分じゃないかというふうに考えているところでございます。
 この長崎県の県及び市、町と、県境を越えた連携ということでさらに魅力がアップできるということかと考えております。例えば、長崎には出島とか大浦の天主堂であるとか、ハウステンボスといったようなものもございますし、一方佐賀県側にはまさに県境近くに多くの温泉、それから有田の焼き物、あるいは伊万里牛などの食というものもございます。こういったものをうまく組み合わせることで、県外の人が訪れたくなるようなこの地域の魅力を高めていくということが期待できるものと考えております。
 県といたしましても、このような連携に対して、積極的に取り組むとともに、また、市、町に対しての支援というものも考えておりますが、まずはこの両県の連携というものが大変大事じゃないか、また効果は大きいというふうに考えているところでございます。
 このようなこともございまして、せんだってでございますけれども、事務レベルで、長崎県と協議を始めたところでございます。できるだけ早い時期に両県の実効性のある連携体制というものをつくり上げていきたいというふうに考えているところでございます。


◯石井秀夫委員=ぜひそういう会合を加速させていただきたいと思います。これは完成までおおむね十年という話をしてまいりましたけれども、十年というのは、ある意味あっという間に過ぎる年月でありますので、これは今から開通したときにはすべていろんな形で準備が整ってしまっていたということが一番望ましいわけですから、ぜひ加速度的にそういうものに取り組んでいただきたいと、そう思っております。
 この西九州ルートにつきましては、県民の中でも賛否両論ありました。反対の方もいらっしゃいますし、それから慎重意見の方もたくさんいらっしゃったわけですけど、これも着手した以上は、つくってよかったという形にしなきゃいけないわけですね。ここが一番大事な部分になってきますから、これはもう待ったなしですから、総力を挙げてやるべきだと思います。
 きのうも与党PTの会合があっておりました。肥前山口-武雄温泉間の複線化の話が具体的に議題に上ってきました。恐らく今週いっぱいというか、一週間以内ぐらいに結論が出るんではないかと、こう言われております。こういう三十億円ぐらいかかるという負担の問題もありますけれども、何とかこういう負担を軽くすべき、そういう運動をこれは知事初めしていただきたいなと、そういうふうにも思っておりまして、最後に、今私が申し上げましたようなことを含めて、中村交通政策部長に決意、そういうものをぜひお聞かせいただきたいと思います。


◯中村交通政策部長=ただいま委員からこの新幹線を活用した取り組みということについての県の決意をということでございます。
 県としましては、新幹線の開業効果が地域の取り組み次第で二倍にも三倍にも拡大していくというふうに考えておりまして、このような各地域の取り組みが全県的に行われるということ、また、そのための仕組みづくりが必要であるというふうに考えているところでございます。このため、各市町が行う新幹線を活用した取り組み対しましては、経済、観光、農林水産など各分野の県レベルの組織とか、市、町などから成ります全県的な組織を立ち上げまして、県民挙げて新幹線を活用した取り組みが進むような環境づくりをしていきたいと考えているところでございます。
 また、建設工事に関しましても、先ほど来御質問ございましたように、より多くの投資効果が県内に広がっていくということで、新幹線に対する県民の意識も変わるというふうに期待をしているところでございます。知恵を出しながら、また、関係機関と連携を図りながら、行政としてできる限りの働きかけをしていきたいと考えているところでございます。
 開業まであと十年余りということで、時間は少ないということで、今からできる取り組みを積極的に進めまして、委員の御指摘のとおり、多くの県民の方々に、開業時には西九州ルートの整備があってよかったねというふうな効果を実感していただけるように引き続き連携しながら、全力で臨んでいきたいと考えておるところでございます。


◯石井秀夫委員=ありがとうございました。いよいよ平成二十二年度末には鹿児島ルートが全線で供用を開始します。そうすると、九州の縦軸がびしっと決まってきます。それに対して横軸、博多-長崎間が十年後には整備をされて、九州が縦と横とびしっといくという形の国土づくり、そういうものが目に見えてきます。ぜひ今部長が答弁をしていただきましたような形で、手を緩めないで頑張っていっていただきたいと、そういうふうに期待をいたしたいと思います。
 次に、道路行政についてお伺いをしていきたいと思います。
 これは佐賀県内、いろんな地区からいろんな要望等も含めて、いろんなお願いも上がってきていると思います。佐賀県では平成十六年度に策定されました佐賀県中長期道路整備計画、これに基づいて、「安全で安心な道づくり」、「交流を支える道づくり」、「活力ある地域を育む道づくり」、こういうものを基本方針として、西九州自動車道や有明海沿岸道路を初めとするいわゆる幹線道路ネットワークの整備及びきょう私が質問をいたしますけれども、歩道の設置、あるいはバリアフリーの対策、そして交通安全対策、こういうものを重点的な道路整備をされております。それで、佐賀県内には国道、県道、市町村道というか、今は市町道というんでしょうかね、そういうものはたくさん走っていると思いますけれども、この実延長、あるいは改良率、それから歩道設置の延長、それから事故の危険箇所、こういうものの指定されている箇所はどのようになっているのか、道路課長にお伺いいたします。


◯直原道路課長=国、県道の整備状況についてお答えいたします。
 佐賀県における国道、県道の実延長は、平成十九年四月一日現在で、有料道路を含めまして、国道が六百三キロメートル、県道が千二百六十四キロメートルとなっております。全体では千八百六十七キロメートルでございます。
 道路の改良率でございますが、国道が九二%、県道が六一%となっております。県全体では七一%でございます。
 歩道の設置延長でございますが、国道は三百九十四キロメートル、率にして六五%に上っております。また、県道では四百八十五キロメートル、率にして三八%となっております。県全体では八百七十九キロメートル、率にして四七%の歩道が設置済みという状況でございます。
 また、事故危険箇所についてでございますが、こちら平成十五年度に指定しておりまして、交通事故が多発するおそれが大きい箇所というものでございますが、国道では二十三カ所、嬉野市の国道三十四号築城交差点などがございますが、二十三カ所ございます。また、県道では、武雄市の県道武雄多久線の武雄総合庁舎入口交差点など二十七カ所がございます。県全体では五十カ所を指定しているという状況でございます。
 以上です。


◯石井秀夫委員=はい、わかりました。
 そこで、県道嬉野下宿塩田線というのがあります。これは嬉野インターから出て、嬉野中学校のところから利便性を高めるための道路整備の一つとして、武雄市とか旧塩田町方面から嬉野町のいわゆる市街地を経由することなく直接インターチェンジに出入りができるという道路になっておりますけれども、この県道嬉野下宿塩田線の整備、現在までの進捗状況を聞かせてください。


◯直原道路課長=お答えいたします。
 県道嬉野下宿塩田線でございますが、嬉野中学校の前から国道三十四号まで約二キロ区間につきまして、そのうち、中間にあります介護老人福祉施設付近から西側の約一・一キロを下宿工区、東側の約〇・九キロメートルを今寺工区として事業に取り組んでいるところでございます。
 平成十六年度から着手しておりまして、まずは下宿工区を先行しております。用地買収、改良工事を進めているところです。本年度は、残る用地買収に取り組むとともに、改良工事を実施することとしております。また、今寺工区についてでございますが、道路の詳細設計や用地調査を行っております。今後、一部用地買収にも取り組む予定でございます。
 以上です。


◯石井秀夫委員=この道路は、今答弁をしていただきましたけど、十六年から始まったわけですけど、なかなか例の緊プロのこともありますし、なかなか進捗が思うようになっていないんですね。これは平成十六年に私が、その当時はたしか土木水産と言っていたかもしれませんけれども、その委員会で質問したときは、大体四年ぐらいで完成の見込みですよという答弁をいただいておったわけですけど、それから事情が変わりました。今のような状況なんですね。これは地元の人たちも、これに着手するまではいろんなことが実はありました。茶畑、あの辺は割と優良な農地がたくさんありまして、茶畑もありました。最初は橋梁でいくという話もありました。しかし、橋梁はなかなか単価的にというか、予算的に高くなるもんですから、最終的には土羽でいったんですけどね。土羽でやるとお茶に必要な気流がうまく対流しないということもあったりして、ボックスを大きく開けてくださいとか、いろんなことがあって、地元の方も協力をしていただいた、そういう経緯があるわけですね。
 私もついせんだって、しょっちゅう見に行くんですけれども、今回質問に当たって、詳細にいろんなところを見てまいりました。その中で、用地買収が難航しているんじゃないかという、そういう話もあっておりましたので、用地買収が難航しているこの状況はどういう状況なんですか。


◯直原道路課長=下宿工区の用地買収の進捗状況でございますが、面積ベースでの進捗率、現在約九七%となっております。しかしながら、まだ一部の地権者との調整が整わないという状況がございまして、用地買収が完了していない状況にございますが、今後も誠意を持って交渉を重ねまして、できるだけ早く解決できるように努めてまいりたいと考えております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=そのできるだけ早くというのがわからないんですよね。ある程度、これは相手がいらっしゃるわけですから、交渉事ですから、これはやっぱりある意味足しげくそういう交渉をしないとなかなかうまくいかないと思いますよ。これは我々も随分こういう経験をさせていただいていますけど、やっぱり道路課の中にもそういう交渉を専門にする方がいらっしゃるかもしれませんしね、そういう方たちと知恵を出し合いながら、なるべく早くというのは、どこまでがなるべく早くなのか、よくわかりませんので、その辺はどうなんですか。


◯直原道路課長=お答えいたしますが、個別の交渉で、それと今先生おっしゃられましたように、相手あってのお話ということでございます。今までも誠意を持って交渉を重ねてきたところでございますが、残念ながら今のところは調整が整っていないという方がいらっしゃるのは残念な状況なんですが、今までにも増しまして、今のお話もいただきましたように、知恵を出し合って交渉に当たるということが何よりと思います。きょうのお話しいただいたことも反省材料としまして、今後とも進めてまいりたいと思います。
 できるだけ早くがいつなのかということなんですが、本当に申しわけないんですが、相手あってのことでございまして、ちょっとこういった回答になってしまいますことをお許しください。


◯石井秀夫委員=この地権者の方が市内にいらっしゃるのか、市外にいらっしゃるのかはちょっとわかりませんけれども、恐らく嬉野市あたりと協議をしていただいて、よく話をしていただいて、やっぱりこれはそういう人脈を駆使しないとなかなかうまくいかないかもしれないということもありますので、そういうのも含めて、ぜひ早い機会にお願いをして、そして、了解をいただいて、一日も早く着手をしていただきたい、そういうふうに思っております。ぜひ頑張ってやっていただきたいと思いますよ。
 それと、次に、先ほど西九州ルートの質問をいたしましたけれども、実はこの嬉野下宿塩田線は、西九州ルートと交差をするんですね。交差をするわけですから、この線との何といいますかね、計画、そういうものがどういうふうになっているのか、お聞きをしたいと思います。


◯直原道路課長=本道路でございますが、九州新幹線西九州ルートと交差する箇所がございます。新幹線が道路の下を通るということは現在決定しておるんですが、この地点での具体的な新幹線との交差点形式につきましては、今のところまだ確定はしていないという状況でございます。
 以上です。


◯石井秀夫委員=確定をしていないということは、今までの計画を優先してやるのか、あるいは新幹線と交差するものを優先してやるのか、その辺はどうなんですか。


◯直原道路課長=お答えから言いますと、新幹線の計画を優先することになります。新幹線の計画をいただきまして、道路の計画に入るということになります。


◯石井秀夫委員=私もそうだろうとは思いますけれども、そうなってくると、ちょうどこれは嬉野インターから出て、嬉野中学校の正門の前をずっと通るこの道路なんですね。正門の横に、これができる前はテニスコートがありました。テニスコートをつぶしたんですね。つぶしてもっていっているわけですよ。ですから、そこがちょうど何か中学生あたりもたくさん通学をしますし、今工事がそういう意味ではストップしている状況になっていますから、何か危ないなという感じがしているんですよ。ですから、これはやっぱりもう少し内部で、あるいは鹿島土木事務所等と再度話をして協議をしていただいて、しっかり詰めた話をしていかないと、あんな形で一年も二年もほったらかすというのは、私はよくないと思いますよ。ですから、その辺も、これは部長、内部でぜひ検討をしていただいて、そういう新幹線との交差の問題とか、また次に質問しますけれども、今寺地区の国道三十四号線との問題とかもありますので、ぜひやってください。お願いをしておきます。
 次に、今申し上げましたここは今寺地区というのがあります。これは国道三十四号線に取りつくようになっておりますけれども、その交差点の計画、この協議状況はどういうふうになっていますか。


◯直原道路課長=国道三十四号との交差点の協議状況でございますが、現在、国において、こちら国道三十四号の歩道設置が進められているという状況です。現在はその交差点計画につきまして、関係機関と協議を進めているという状況にありまして、今後速やかに交差点部の詳細設計、また丈量図設計作成に取りかかる予定でございます。
 以上です。


◯石井秀夫委員=ぜひそういうふうにお願いしますね。
 そして、今後の見通しになりますけれども、実はここには今話をしました中学校のちょっと武雄側に向かっていきますと、工事がここも中断をしているわけですけれども、牛舎があります。村田さんという畜産農家、肥育牛を百頭ぐらい飼っておられますけれども、今その工事が中断しているところ、ちょうど土羽のところ、地権者のうまくいかないところだろうと思いますけれども、その下のところに岩が出てきた、岩盤が。この岩盤を崩したりなんかするために、一日中機械の振動音とか騒音、あるいはトラックもそうなんですけれども、やっていまして、やはり牛に影響が出ているんですね。村田さんという方、鹿島土木事務所からも行っていただいて、データを毎日とっていただいているということですけれども、我々はよくわからなかったんですけれども、牛は非常に神経質な動物で、そういう振動とか音とかに非常に敏感なんだそうです。これがやっぱり最終的には肉質に影響する、あるいは生育に影響する、なかなか体重がふえない、逆に減るとか、そういうものがあるそうですから、こういうものもぜひ早く工事を終わらせることによってそういうのを解決するというのが一番だと思いますね。
 ですから、こういうことでありますから、予算の関係もあります。今年度は例の再議決をしていただいて、やっと例の地方道整備の臨時交付金で予算がついたわけですけれども、これがうまくいかなかったら、これはほったらかしになっていたわけですね。そういうこともありますし、ぜひ今後の見通しですけれども、今話をしましたように、いろんな問題がありますので、何とかこういうところは早く仕上げていただくというのが解決の一番だろうと思います。
 ですから、優先順位とか、いろんな緊急度とか、そういうのもあるかもわかりませんけれども、冒頭申し上げましたように、これは十六年に着手して、四年で大体できる予定だったのが、今もってそういう進捗率ですから、地元の方は、ましてや大変心配をされているし、せっかく協力したのにどうなんだという話もありますので、そういうものを含んで、今後の見通し、早期に工事を完成させるために、ぜひ頑張っていただきたいと思いますけれども、見通しはどうなんでしょうか。


◯直原道路課長=この前にもちょっとお答えをしたんですが、用地の関係ですとか、交差する新幹線の構造、また国道三十四号との交差点協議など、さまざまな事情があるところでございますが、地元の強い要望があると聞いております。できるだけ早い供用ができるように努めてまいりたいと考えております。


◯石井秀夫委員=先ほどの答弁と一緒で、できるだけ早くというのは、いつぐらいまでにめどを立ててやるかというのは非常に難しいかもしれませんけどね、これ以上言いませんが、ぜひ一日でも早く、一年でも早く工事が完了するように頑張っていただきたいと、そう思います。
 それともう一つ、県道の話になりますけれども、県道波佐見塩田線というのがあります。これは長崎県の波佐見町と嬉野市の旧塩田町とを結ぶ道路になっていまして、これは嬉野市内の区間を見てみますと、国道三十四号とこの嬉野塩田線を結ぶところに大草野小学校というのがあります。これは合併する前は非常に珍しい組合立の小学校でありました。合併して今市立の大草野小学校になりましたけれども、ここの子供たちの通学路に実はなっていまして、大変朝の通学時間、これが鹿島とか武雄からの通勤の道路、あるいは工事用のトラックとか、そういうものが非常に多く走っておりまして、大変危険なんですね。これは幅員も六メートルぐらいしかないということ、そういうことで、大変子供たちは、きょう写真も持ってきておりますし、これはもう私は三年ぐらい前からずっと話をしていますから、皆さんもごらんになったと思いますけれども、非常に危険な状況にあるんですよ。距離数そのものはそんなにないんですけどね。そういう危険で、毎日地元の方たちが子供たちに一緒についていって通学をしているというような状態が続いております。この路線についてのこれまでの県がどういう取り組み方をしたのか、まず聞かせてください。


◯直原道路課長=波佐見塩田線のこれまでの取り組みということでお答えいたします。
 県道波佐見塩田線の嬉野市の区間につきましては、延長九百メートルのうち、終点側約百三十メートル区間につきまして、片側に幅員二・五メートルの歩道を設置したところでございますが、残る七百七十メートルの区間につきましては歩道が設置されておらず、最も狭いところでは幅員が六・〇メートルしかないという状況でございます。
 この道路は、嬉野市内から武雄、伊万里方面へと向かう道路でもございまして、通勤で利用する車も多く、大草野小学校の通学路にもなっているということでございまして、先ほど先生のお話にもありましたように、狭小な路肩を児童が通学しておりまして、早急な交通安全対策が必要な箇所と県でもとらえているところです。
 平成十九年度に自動車の交通量や自転車歩行者数の調査を行いまして、事業化へ向けての今後の進め方や当面の交通安全対策の検討などについて地元説明を行わせていただきました。これを踏まえて、今年度は予備設計を行っているというところでございます。
 以上です。


◯石井秀夫委員=今現在予備設計をやっているという、それは僕も知っておりますけど、実は、これは十八年四月二十二日になりますけど、市長と語ろう会というのが開催をされていまして、そのときにこの話が再度出まして、これは私どもの谷口市長もよく知っておられますけれども、十八年六月二十八日には鹿島土木事務所の説明会が公民館であったときに、歩道要望が地元の区長さんからされております。そして、八月八日には県道波佐見塩田線歩道建設促進期成会というのが設置をされています。これは会長が地元の区長さんで、副会長も地元の区長さんですね。委員に小学校のPTAの会長さんでありますとか、老人クラブの代表さんとか、公民館の代表さんとか、こういう方たちが役員になっておられます。そして、実はこれも私が鹿島土木事務所にも話をしておりますが、署名も千五百八十四名の署名が集まっているんですよ。そして、その十八年十二月に嬉野市長へ要望書を提出されるということもされております。本当に先ほど申し上げましたように、今道路課長が答弁をされたような感じですらすらっといくような感じでは、私はなかなか納得しがたいんですね。ここはちょっとこれは委員長いいですかね。部長にこれ、見たことがあるかもわかりませんけど、こういう感じになっているんですよ。(資料を渡す)
 だから、これは本当は地元の方は切実なんですよ。ですから、これはなかなか予算が厳しいというのはみんなわかっているわけですね。地元の方たちもそれもわかっています。その上で何とかなりませんかという形で地元の方は切実なお願いをされているわけですから、県内にもいろんなところがあると思いますけど、これも私取り上げて三年目に入りますかね。ですから、こういうところはぜひ事故が起きてしまってからは遅いわけです。ましてや子供たち、これからの佐賀県、あるいは日本を背負って立つ子供たち、こういう子供たちに何かあったらいけないと、そういうふうに思っているわけですから、これは何とかしていただきたいと、そういうふうに思っております。
 九月議会のとき、これは古賀委員が質問をされていまして、直原道路課長は覚えておられると思いますけれども、いわゆる歩道の設置、あるいは交差点改良についてどのように取り組んでいくのかという質問を古賀委員がしました。道路課長は、限られた財源の中で、まずは選択と集中により多くの高い効果が期待できる交差点整備、歩道整備などの交通安全対策、そういうものをやっていくということですね。そのうち、交通安全対策では、高齢者や子供などの交通弱者でも安心、安全に歩行できるような歩道の設置やバリアフリー対策などについて、必要な箇所の緊急性や優先度を考慮して整備を進めていると。具体的に申し上げますと、歩道設置については、特に佐賀県の将来を担う子供たちが安全に通学することができるよう、小学校周辺部における通学路について重点的に取り組むこととしておりますという答弁を道路課長はされていますね。
 ですから、この気持ちは多分方針は変わらないと私は信じています。ですから、ぜひこの県道波佐見塩田線の整備について、今後どのように努めていくのか、答弁をお願いします。


◯直原道路課長=いろいろお話をお聞きいたしまして、身につまされる思いがいたします。
 地元、平成十八年から嬉野市長への要望ですとか、あと期成会を設置されたことですとか、あと千五百人余りの署名が集まった──集まったというか、お声を寄せられているといったようなこと、地元も本当に切実だなという状況がございます。
 それと、やはり私の答弁も引用していただきまして、ありがとうございます。何よりもお子さまもそうですし、子供さんを学校に出している親御さんの御心配ということも何より気がかりなのではないかなと思っております。そうした中で、さてどうするかということなんですが、今後の進め方ということでございますが、いろいろ技術的なことですとか、道路の構造ということもございますが、それともう一つございますのが、地元で区長さんですとか、取りまとめられているといったことはあるんですけれども、やはり沿道の地権者の方を含めた地元の同意が得られるかどうかということが、今後事業を進めていくに当たってのポイントでございます。そうしたことがございまして、地元の地権者も含めました同意が得られるようにといったようなことで今後取り組んでまいりたいと思います。
 もちろん、この事業につきましては、今先生からお話がありましたように、早期の供用というか、整備が望まれている路線であることは重々承知しておりますので、そういったことも含めまして、今後進めてまいりたいと思います。
 以上です。


◯石井秀夫委員=地元の地権者はもう既に話が大体いっていますよ。了解がとれるんじゃないかというかね、そういうのも地元の区長さんが全部回られて、大体とれるような形になっていると思いますよ。それは鹿島土木事務所を通じてでも結構ですから、話を聞いていただきたいと思いますけどね、ぜひそういう形でこの道路も先ほどの嬉野下宿塩田線と同様ですけれども、この道路も非常に甲乙つけがたい大変重要な道路でもあるし、危険な道路でもありますので、今道路課長が答弁をしていただいたような形での努力をお願いしておきたいと思います。
 次に、厳木多久道路についてお伺いをいたします。
 佐賀県道路公社は、地方道路公社法に基づき増加する道路需要に対処するため、県の一般財源不足を補って、いわゆる基本的な幹線道路の整備を促進して、交通の円滑化を図り、地方における住民の福祉の増進、あるいは産業経済の発展に寄与することを目的として、昭和四十九年に設立をされ、そして、道路施策の一翼を担うものとして、大きな役割を果たしてきたものと思っております。
 しかし、設立当時とは社会経済情勢が大きく変化をしてきております。今後、人口の減少、そういうものも予測をされますし、今日、交通量の増加等もかつてほど増加傾向が鳴りを潜めております。これはいろんな原因があろうかと思いますけど、そういう状況にもなってきております。
 当初の計画交通量の実績が乖離することによって、今後の経営状況は大変厳しくなっていくのではないかと考えておりますが、この厳木多久道路の利用状況、これは当初の計画の交通量に比べると大きく下回っているんじゃないかと、そういうふうに思っていますが、この道路の利用実績は当初計画と比較してどのような状況になっていますか。


◯直原道路課長=厳木多久の利用状況、平成十九年度で見ますと、一日当たりの計画交通量一万二千五百八十台に対しまして、実績は四千百七台、計画交通量の約三三%となっております。御指摘のように計画を大きく下回っているという状況でございます。
 以上です。


◯石井秀夫委員=一万二千台が四千台ですから、三二%、半分以下ですね、これは大変な数字だと思います。それで、大きく下回ったその理由は何ですか。


◯直原道路課長=当初計画と乖離している理由でございますが、現道の国道二〇三号の交通量は約一万七千台と多いものの、わずか六キロ程度の区間の割に料金設定が高いということがまず一つございます。
 それと、国で施行しております厳木バイパスの整備がおくれており、佐賀唐津道路としての一連のネットワークが完成していないということがまた理由にございます。
 それと、現道の走行性が比較的良好である一方、有料道路を利用するには信号待ちによる時間ロスなどもあり、時間短縮のメリットが少ないということなどがございます。現道から有料道路への転換が十分に進んでおらず、こういったことになっていると考えております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=やっぱりちょっと予測が甘かったんですね。これは数字にも端的にあらわれていますよね。これは全国でいくと公社の八割が予測以下だったと、こういう調査結果も出ていますよね。ですから、これは大変なことだろうと思いますよ。ですから、この道路公社に対する認識が非常に甘かった、予測も甘かったというふうに言わざるを得ない状況だと思います。ですから、大変な中にこの道路公社の経営に大きな影響を及ぼしていくんではないだろうかと、こう思いますので、経営状況について設立団体であります県、これがチェック体制をちゃんとやってこなかったんじゃないですかね、そういうふうに言ってもいいような感じがいたしますし、これはやっぱり放置するわけにはいきませんので、将来の収支見通し、先ほど申し上げましたように、これから少子化にも突入していますし、人口も減ってくるという予測が容易にできるわけですから、これは県として、本当に真剣な、深刻に受けとめて対応を検討、そういうものをやっていく必要があると思いますよ。だから、そうなってくると、やっぱりチェック体制の強化、これが大変重要になってきますよね。その辺は県はどういうふうにしていかれますかね。ちょっと考えを聞かせてください。


◯直原道路課長=おっしゃられるとおりで、県として対応していったり、またチェック体制を強化するという必要があると考えております。
 そもそもこの道路でございますけれども、公共の財産であります。この厳木多久道路が有効に利用されないということもまた県として大きな損失であると考えております。それとまた、公社の経営からも、まずは県民の皆さんに積極的に利用していただくということも大切であると考えております。それで、今まで利用促進のためには、利用しやすい場所に回数券の自動販売機を設置するですとか、あとは利用者への周知のための道路案内板を設置するですとか、あとはホームページによる情報提供を行うといったこと、これも県の担当部局とも相談というか、調整しながら行ってきたところでございます。
 しかし、まだまだ甘いということもございますので、今後、さらにですが、例えば、通行料金を下げられないかという工夫をするとか、優良道路を利用しやすくするためにさまざまな工夫ができないか、例えば、時間のロスが多い交差点があったりするんですけど、そうした現道の交差点を改良できないかといったようなことを検討するですとか、あとは佐賀唐津道路として一連のネットワークが早期に完成するように国と一体となって取り組んでいくという県の姿勢ですとか、そういったことを道路公社と連携して、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 それと、また体制のチェックといったことでございますが、経費のさらなる削減も必要であり、道路公社に対し道路利用者へのサービス向上と経費節減により効率的な運営に努め、管理運営に万全を期すように指導してまいりたいと考えております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=いろんな取り組みをすべきだと思いますね。これは原則として開通から三十年後に借金を返済して無料開放するという、そういう仕組みになっているんですね。だから、筑紫野有料道路みたいに、ああいう交通量が猛烈にあるところは、これはうまくいくんでしょうけど、なかなか厳木多久みたいな形で下の道路といいますか、既存の道路を利用するほうが多いというのは、やっぱりちょっとこれはそれ一つとってみても問題があるわけですから、繰り返しになりますけれども、自治体の厳しい財政状況が続く中で、チェック体制の強化、この健全経営に対する公社独自の点検とか、あるいは場合によっては評価委員会、そういうものを設けるとか、そういうことを徹底していくべきだと思います。やっぱりこれは一台でも多く利用していただくようなそういう努力、これが必要不可欠だと思います。これを利用するとこれだけ便利ですよと、時間も短縮できますよというふうな、そういうのをもう一回根本から考え直していただいて、そういうものをインターネットで流したりなんかするのもいいかもしれませんけれども、やっぱりPR、そういう活動も大事だと思いますよ。ぜひそういうものも内部で議論をしていただいて、せっかくつくったいい道路ですから、やっていただくようにお願いを申し上げておきます。
 次に、橋梁、橋の維持管理についてお聞きをしていきたいと思います。
 これは昨今の報道で、橋梁の老朽化による橋が落ちたり、それから通行止めになったりとか、そういうニュースも見るようになりました。これは道路の安全性に係る深刻な問題でもあります。
 幸い、聞くところによりますと、県の管理されている橋ではこのような事故が発生したことはなかったということでありました。しかし、これはこのまま放っておくわけにもいきませんし、何年かすれば必ず老朽化は進んでいくわけですから、事故が起きないとは断言できないわけです。
 そこでお聞きをしていきたいと思いますけれども、県が管理されている橋梁の数、そして、一般的に言われております橋の寿命、これは五十年だそうですけれども、この五十年を経過したいわゆる高齢橋、この割合はどのようになっていますか。


◯直原道路課長=県で管理する国、県道における橋梁の数は、約二千二百ございます。このうち、橋の長さが十五メートル以上の橋梁については、現在橋長や架設年次などを記載した橋梁台帳を作成して管理を行っております。この十五メートル以上の橋梁は六百二十ございます。
 六百二十の橋梁についてでございますが、今先生のお話にありました五十年以上経過している橋梁は三十五橋ございます。六百二十のうち三十五橋で、現在は約六%ございます。
 以上です。


◯石井秀夫委員=五十年以上経過した橋が三十五あるということでありました。これから三十年後に高齢橋の割合はどれぐらいになっていきますか。


◯直原道路課長=三十年後になりますと、三百四十三橋になります。割合としては約五五%になります。
 以上です。


◯石井秀夫委員=三百四十三の割合でいけば五五%だということであります。これはやっぱり数字的に見ると大変だなと思います。このままいきますと、この高齢橋の割合が増加して、長期にわたって放置すれば、必ず劣化が進んでいくと思います。これは利用する人、あるいは車とか、そういうところも通行できない条件になっていくかもしれません。また、この老朽化した橋がふえた場合、急に対策を講じようとすれば、橋梁のかけかえや大規模な修繕などの維持管理費が膨大になるんじゃないかと思いますね。
 そこで、将来の財政を圧迫するかもわかりませんが、県はこのことについてどのような対応を考えておられるんでしょうか。


◯直原道路課長=県の対応をどのように考えているかということでございますが、厳しい財政状況が続いているという中にあっても、道路や橋梁などの維持管理は、県民の安全・安心な暮らしを守る上で適切に行っていかなければならないと考えております。しかしながら、今御指摘いただいております今後ふえ続ける高齢橋が続々と更新時期を迎えて、多くの橋梁を一度にかけかえなければならないといった事態になれば、県財政を圧迫することとなります。
 このため、県管理のすべての橋梁についての定期的な点検により、まず健全度を把握しまして、損傷が小さい段階から小まめに補修を行うことで橋梁の健全度を高め、延命化を図るということを考えております。
 また、この点検と補修についての計画を具体的に示しました橋梁長寿命化修繕計画というものを今年度中に策定する予定でございまして、その対策に着実に取り組むことで、橋梁の維持管理費の平準化、縮減を行うこととしております。
 このような取り組みにより、将来にわたり財政が圧迫されることなく、だれもがいつでも安心して橋を利用することができるようにしたいと考えております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=なかなか大変だろうと思いますね。これはちょっと私も報道で読んだわけですけれども、例えば、青森県あたりの試算が出ていまして、青森県では今後五十年間の橋の補修コストを八百億円だと試算が出ています。これに対して、もしかけかえで対応した場合は幾らぐらいになるのか。最大で二千億円ぐらいの費用になるんじゃないかとか、そういう試算も出ていますね。ですから、これは大変なお金がかかってくるのは容易に予測ができますので、あとはやっぱりこの劣化度に応じた補修プランみたいな、そういうものの作成、そういうものが自動的に算出できるようなシステム、そういうものをつくっていくというのも大事ではないだろうかと、そういうふうに思ったりもしています。
 今、県の話を聞きましたけど、市町の取り組みはどういうふうになっていますか。


◯直原道路課長=市町の取り組み状況については、市町においても橋梁の維持管理費の増加があると。それで、とっても深刻な問題ととらえていらっしゃるようでして、その対策として、八割近くの市町において橋梁長寿命化修繕計画を平成二十五年度までに策定する意向であるというふうに伺っております。
 しかしながら、財政や技術、その両面で大変に苦慮されているということも合わせて聞いております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=今おっしゃるとおり、市町も財政が大変厳しくなっていますのでね、なかなかこの対策を講じることが困難かもしれませんね。
 そういう中で、こういうところに県はどういう支援を行っていこうとされているのか、また行うべきと考えておられるのか、お伺いをいたします。


◯直原道路課長=道路は、国道、県道、市町村道、それぞれの役割を果たしながら一体となり機能しているものでございます。国や県だけが橋梁の計画的維持管理を確実に行っても、市町の管理する橋梁に問題があれば、道路網としての機能は低下してしまいます。
 そのため、市町においても県と同様に橋梁長寿命化修繕計画を策定し、計画的な維持管理を行うことが重要であり、その支援を積極的に行うべきと考えております。
 財政的な支援としましては、計画策定に要する費用の補助を国のほうで事業として取り組んでいることもございますので、県としては技術的な支援として、点検マニュアルの提供や研修会などを行うこととしております。
 また、道路課内に相談窓口を設けまして、市町の対応も行っております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=ぜひそういうふうな形で、市町に対しては温かい手を差し伸べていただきたいと思っております。
 それで、今ずっと橋梁の古い話をしましたけれども、その橋の中には、いわゆる後世に残さなければならないというか、価値のある橋が、ひょっとしたら佐賀県内にもあるのかなという感じがいたします。これはきのうの新聞でしたかね、おとといですかね、土木学会の遺産認定というやつで、若津港の導流堤というんですか、こういうのが出ていました。それから、近代土木遺産には筑後川の昇開橋というのがありますし、こういうものがあるのかないのか、あるいはこのような橋梁の取り扱い、そういうものについての考えを聞かせてください。


◯直原道路課長=土木学会では、戦前につくられた土木施設を近代土木遺産として指定しているということでございます。
 県内に近代土木遺産に指定された橋梁は十七橋ございます。その中には、今先生のお話にありました筑後川昇開橋ですとか、あと近代土木遺産の中でも、特に評価の高い選奨土木遺産に指定されている多布施川の栴檀橋などがございます。
 このような橋梁は、架設年次も古く、耐荷重性が確保できないこともございますので、道路事業や河川事業を施工する際にかけかえることも多いという状況がございます。しかし、新しい道路が建設されても、旧道として古い橋が残されていることもございます。例えば、神埼市の三瀬神埼線にございます眼鏡橋のように、バイパス整備後に旧道として残され、市により管理されて、観光資源として活用されるといったようなケースもございます。
 歴史的・文化的にも貴重な橋梁については、やみくもに取り壊すというのではなく、市町と協力しながら、なるべく後世に残すような努力も行うことが大切だと考えております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=おっしゃるとおりだと思いますね。今の選奨土木遺産という話をしていただいて、多布施川の栴檀橋ですかね、これはぜひ私も見たことあるのかないのかわかりませんけど、一応ぜひ見たいと思います。そういうもののリストアップというかな、そういうのもぜひしていただいて、我々にも資料としてぜひ提供していただきたいと、そういうふうに思います。そして、これは残せ、残せというのは簡単かもしれませんけど、修復等も含めて大変難しい、技術的な問題もあろうかと思います。それから、当然予算もかかってまいります。そういう絡みがありますので、そう言いながらも、非常に価値のあるものについては、できるだけ後世に残していただきたいというのを申し上げておきたいと思います。
 道路、それから橋についていろいろ質問をしてまいりました。きのうも伊万里市の視察の現場で、ちょっとこれは牟田県土づくり本部長とも話をしておりました。これは中村交通政策部長にもぜひ考えていただきたいなと、こう思うんですけれども、それから、庁内の中、あるいは課の中で話をしていただきたいなと思うんですけれども、やっぱり今度の一般質問で知事も答弁をしていました。地域の実情に合った道路づくりという話を知事もされておりました。
 私は思うんですけれども、こういう非常に技術が進んだ世の中であります。新しい技術で安く上げることも一つの方法かもしれません。例えば、コスト意識を徹底するとか、そういうものを技術者の方たちに研究をしていただくということがあるかもしれません。あるいはこれはノンフィクション作家の山根一眞さんが記事にしておりましたけれども、これは佐賀県にあるかないかわかりませんけれども、道路にソーラーパネルを張って生まれた電力を売るのも一つの方法じゃないかとか、そういうことも書いておられました。その売電収入を道路整備に回せば、少しでも税金が節約できるんじゃないかという提言もされております。これはやっぱり将来を見据えた、そういうもののこの道路づくりの本質的な議論をぜひやっていただいていると思いますけれども、またこういう機会をとらえて、そういう議論を部内、課内でしていただくことを期待いたしまして、この項の質問を終わりたいと思います。
 最後の項目になりますが、河川の維持管理について聞いてまいります。
 最近、ゲリラ豪雨と呼ばれるような、局所的な雨が降って大きな被害をもたらすということがあります。本県でもことしの六月に佐賀市を中心に広い範囲で浸水をしたということもありました。また、この十月三日の新聞報道、これは私も見ましたけれども、都道府県が管理する河川のうち、三割で河川全域にわたる定期的な見回りが行われていないという国土交通省の調査結果も明らかになりました。
 国土交通省の管理となります国直轄の河川は、全域で週一回以上の見回りが行われているということになっております。これは県の管理河川との点検のレベルの違いが大変大きいということになっておりまして、定期的な見回りが行われていない理由は人手不足だと、こう言われております。
 先ほど申し上げました局地的な豪雨は、むしろそういう県あたりが管理する中小河川に集中をしているような気もいたします。本県におきましても、昨年十一月に策定されましたいわゆる緊プロの中を見てみますと、県管理の河川の維持管理予算についても大変厳しい状況だというふうになっています。河川は、いろんな県民の生命、財産を守る、そういうものでもありますし、ふだんから維持管理は非常に重要だと私も認識をいたしております。そこで、佐賀県の河川管理における巡視の状況についてでありますけれども、現場の見回りにより、まずは現場で堤防の亀裂、あるいは水門の状況、そういうものを的確に把握することが大変重要だと思います。
 この堤防や河川、そういう施設点検の佐賀県の状況はどういうふうになっているかということで、国土交通省による調査はどんな内容だったのか、お聞きをしたいと思いますし、また、県内の見回りの状況、そういうものはどういうふうになっていますか。


◯原河川砂防課長=まず、国土交通省における調査についてお答えいたします。
 これは、本年六月に国土交通省のほうで全国調査をされておりまして、河川維持管理実態調査ということで調査されております。その調査内容でございますが、河川ごとに巡視とか、堤防除草とか、堤防横断測量の実施状況について、回数を集計したものでございます。その結果、巡視について都道府県の河川で三割相当がやっていないという報道が十月三日の新聞で出たところでございます。
 本県の状況でございますけれども、本県の場合、ほぼ全河川にわたり月一回以上の巡視を行っているという状況でございます。これも調査では報告しているところでございますが、本県の場合、他県に比べて比較的充実していると考えておるところでございます。ただ、やっぱり月一回ということでございまして、直轄河川、週一回に比べますと少し落ちているという状況になっておるところでございます。
 以上です。


◯石井秀夫委員=国が週一回で、県が月一回以上ということで、今課長からも答弁がありましたけれども、月一回、この辺がまあまあなのか、いや、もう少しふやしたほうがいいということなのか、その辺はどうでしょうね。予算との絡みがあるかもしれませんけど、人手不足だから、そのパトロールする方にちゃんと賃金も払わなきゃいけないでしょうしね、その辺はどうですか。


◯原河川砂防課長=月一回が妥当かどうかというのは、直轄河川の場合、河川の規模といいますか、洪水時の破堤の影響も大きいということで、頻度が高いんではないかと考えます。ただ、県河川においても、それ相当の規模では月一回ではだめなところもあるかと思います。そういう点については、今後、管理計画等々も各河川ごとに検討していく必要があるかというふうに考えております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=そうなってきますと、これは今後の方針という形になってくるわけですけれども、予期せぬ豪雨、こういうものが起こるということがあると思います。この限られた予算の中で、ある意味地元の協力を得ながら管理を進めていく必要があると思いますけれども、地元との協議といいますか、そういうものをどのように進めていかれますか。


◯原河川砂防課長=地元との連携といいますか、そういうふうな取り組みということだと思いますが、現状において県管理の中で、非常にウエート大きいといいますか、重要な作業の一つに河川堤防の伐採というのがございます。これはかなり予算もかかっている状況でございます。
 その堤防の除草でございますけど、現状では伐採している作業の中の三割を地元自治体等への委託としてやっているという状況でございます。だから、その残りの七割は、民間業者のほうの委託という状況でございますけれども、例えば、地元の生活環境上の要望等が多々ございます。今後、そういう要望等にこたえていくためにも、除草に加えた地元からの例えば水門、樋管の情報、堤防の情報等の収集といいますか、そういうのを含めた業務を地元に協力いただけるような働きかけを行っていきまして、河川の維持管理を充実していきたいと考えております。
 いずれにしましても、効率的な河川管理を行うために、今後河川管理のあり方を検討していく必要がありますけれども、地元や市町と話し合いながら、連携して河川管理を検討していきたいというふうに考えております。
 以上です。


◯石井秀夫委員=市とか町、あるいは地元とぜひ連携を密にしていただきたいと思います。
 予期せぬ豪雨、このとき一番被害を受けるのは、やっぱり中小の河川、都道府県が管理しているですね。そういうものだと言われております。緊プロの話もしました。緊プロを実施中だからなかなか難しいと、そういうのもわかりますけれども、これはいわゆる生命、財産、人の安全・安心、こういうものから見ると、お金ではかえられないものがありますから、ぜひそういう視点でしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、それから、堤防等はやっぱり場所によっては、なかなか構造とか強度とか、そういうものが見落としがちだという、そういう指摘も国土交通省がしているようであります。早期にそういう異変を察知するためには、今お話をしてきました見回りというのが非常に重要になってくるわけですね。
 ですから、それが月一回、週一回──週一回できれば一番いいんでしょうけれども、なかなかそうはいかないところもあるでしょうから、常日ごろからそういうデータ的なものを蓄積をしておくと、ちゃんととっておくということが大変重要になってくると思いますから、ぜひそういう気持ちを持っていただいて、この河川の管理に取り組んでいただきますことを期待いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。






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