錦鯉の生態

 錦鯉は、コイ科の淡水産軟骨魚で、上あごのへりに二対の”ひげ”があり、鯉は、このひげで餌を探します。また、頭を除く体の表面は、鱗でおおわれていて、体側を走る一列の側線鱗があり、水流や圧力などの水の動きを知るための重要な器官です。
 餌の、消化・吸収はすべて腸で行われます。 呼吸は鰓で行われ、鰓ぶたを動かして、口から水を吸い込み、鰓から吐き出す途中で水中の酸素は、鰓の薄い膜を透過して魚の血液に送り込まれます。
 魚は、糞も尿も同様に肛門から水中に排出され、一部は鰓からも吐き出されます。
 鯉は、冷血動物なので、水温と自分の体温が同じになり、冬水温が零度近くになあると整理活動は停止し、餌を与えても受けつけません。

錦鯉の習性

 錦鯉は人に馴れやすい性質をもっている。一方で、たいへん警戒心も強い魚です。つねに愛情をもって飼育すれば、手のひらにのせた餌を食べるようになります。また、いつも餌を与えている人の足音が聞えるといっせいに泳ぎ寄って、餌をねだるようになります。
 いつも鯉を見ていると、餌の食べ方や泳ぎ方で体調が図るようになり、決まった時間に投餌している場合、その時間に魚が集まらない時は要注意です。餌が多すぎた・寄生虫の付着・いたずらされたなど、いろいろな原因が考えられます。原因を究明して、直ちに、応急処置を施す必要があります。
 錦鯉の習性のなかで、特に素晴らしいことは、新たに加わった鯉との間に、トラブルがいっさい起きないことです。

池の作り方
  • 日当たりが良く給排水の便利なところ。
  • 池の深さは、60p以上が望ましい。
  • 濾過装置・エアーレイション装置の設置(良質の水を得る事ができる)。

餌の与え方
  • 餌は良質の物を、専門店で求めましょう。
  • 春先、10度以上になってから少量ずつ、正午頃一日一回食べ残さないように。
  • 水温が15〜20度の時期は、午前午後(15時までに)と分けて与える。
  • 水温の上昇に伴い、徐々に餌を増やしていきますが投餌量は、池と鯉のバランス、水の状態、飼育設備、天候、気温、水温などにより変化します。食欲のある(6月・9月)の時期は、一日あたり体重の1〜2%程度を2〜3回に分けて与える。
  • 真夏水温が30度近くなると、餌は午前中に与えたほうが安全です。
  • 10月は、越冬に備え餌が残らない程度に数回与えます。

錦鯉の健康

 鯉の、健康を維持するためには、餌の摂取方法や、病気・寄生虫の駆除など定期的に消毒(予防)するのも大事です。


錦鯉の飼育管理12カ月
  • 4月の管理
    水温が上がるにつれて鯉の動きも活発になってきますので、摂取量を増やしていきます。目安として1回に与える餌の量は 鯉の体重の300分の1位が適当で、1日3回与えると、体重の約1%程度の量になります。

  • 5月の管理
    成長期に入り、摂取量、回数も増やしていき濾過設備などの不備がないよう注意。(不備がある場合は餌を与えないのが安心)
    寄生虫(ウオジラミ・イカリムシ)が発生する時期ですから、発生する前に予防するようにしてください。(予防薬は、マゾテンが安心です)

  • 6月の管理
    水質に問題なければ、水温の上昇とともに摂取量、回数を増やしてください。 この時期は、梅雨期に入り一雨で池の水質が変り、 濾過装置の目づまり、また水質が変わることで鯉が体調をくずすことがあります。 絶えず観察、注意することが大切です。

  • 7月の管理
    飼育管理は6月とほとんど変わりませんが、寄生虫・病気が発生する前に予防するようにしてください。
    濾過装置がない場合は、新水を十分かけ流していない場合、緑色の水になり鯉が見えなくなります。(6月頃からなる時もある)
    これは、鯉の糞や食べ残した餌などによりアンモニアが発生し、アオコといわれる植物性プランクトンが急速に増殖するためで、濾過装置 ・水を循環している場合は殺菌灯などで解決します。
    一時的な方法として、グリーンカットなどで澄んだ水にする事は可能です。 梅雨が明けると、急激に気温が上昇し、池の水温が30℃近くそれ以上になる時は、午前中の早い時期に給餌し、午後からの 給餌は控える事消化不良や酸素不足を引き起こす原因になるので絶対に避けてください。

  • 8月の管理
    飼育管理は6月〜7月とほとんど変わりませんが、寄生虫・病気が発生する前に予防するようにしてください。

  • 9月の管理
    この時期になると水温も除々に下がり、鯉がいちばん成長する時期で、冬に備えて餌の食いもよなります。鯉・ 池の状態をよく観察しながら餌を与えてください。
    寄生虫・病気が発生する前に予防するようにしてください。

  • 10月の管理
    飼育管理は9月とほとんど変わりませんが、寄生虫・病気が発生する前に予防するようにしてください。
    急激に気温が下がる時は、摂取量を減少。給餌は、AM10時〜PM3時までに与えてください。

  • 11月の管理<
    この時期になると、越冬の準備(池の覆いなど)。
    飼育管理は10月とほとんど変わりません。

  • 12月の管理
    飼育管理は11月とほとんど変わりませんが、水の循環・エアーレーションは行った方がよいでしょう。
    鯉の観察は欠かさず行い、異常があれば早めに!この時期、魚の全身が白くなった時は カゼをひいてるとおもわれます。(マラカイドグリーンで消毒)

  • 1月の管理
    飼育管理は12月とほとんど変わりませんが、絶えず鯉の健康状態をチェックして下さい。

  • 2月の管理
    飼育管理は1月とほとんど変わりませんが、下旬頃水温が10℃の日が続くようでしたら餌付けを始めても良いでしょう。

  • 3月の管理
    錦鯉が冬眠からさめ、活動を始めます。池の状態や飼育設備を点検し、鯉の活動に支障がないか調べましょう。
    水温が10℃位になったら少量ずつ消化の良い餌さを与えます。(最初は決して餌を多く与えないよう注意)
    水温が15℃位までは1日1回、水温が上がる正午ごろに与え、摂取量は水温の上昇に伴って少しずつ増やしていきますが、 環境や天候によって変化するため、この時期は腹八分目の状態で給餌した方が安心です。


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